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弁理士試験について②初学者の方の勉強方法

前回の記事で、試験の概要について説明しました。今回は試験の内容を知った上で、どんな勉強をすべきなのか解説します。

初学者の方と学習経験者の方ではアプローチの方法が異なると思いますので、どちらも説明していければと思います。ちなみに私は、初年度は格安の予備校講座で勉強し、2年目にLECのN先生の学習経験者向けの講座を受講して合格しました。一部説明の中に、LECのテキストや模試の情報が入りますが、参考までに見ていただけたらと思います。

初学者の方向け

初学者の方は、まず短答式試験の過去問を開いて問題文を読んでみてください。何を言っているのか分からないと思います。

短答式試験は、知的財産権法に関する記述の正誤を判断する問題になります。問題文は長いですが、必ず何かしらの条文や規定に沿って当てはめれば解けるように作られています。その問題文が、法律のどの条文の話をしているのか、どの場面の話をしているのか、頭に思い浮かぶようになることがとても重要です。

頭に思い浮かぶようにするためには、まず産業財産権法の大まかな制度や流れをイメージできるようにすることが有効です。

予備校に通われている方は、まず入門講座を一通り受講し、どんな制度があって何ができるのか、流れを把握することに注力してみてください。大きく分けて、権利化前の出願や審査の話、権利化後の話があります。それぞれでどんなことができるかを、何となくで良いので把握することが大事です。最初の段階で、要件とか趣旨まで理解できる必要はないです。

予備校に通われてない方には、制度の大まかな概要を掴むためにELEMENTSという本がおすすめです。中には細かい内容も書かれていますが、最初から全て理解する必要はありません。一通り読んでみて流れを掴むことが大事です。勉強を始めたいけど、いきなり予備校に大金を注ぎ込むのはちょっと…という方は、この本を読んで概要だけ把握するというのもアリです。

私もまずこの本を読んで、制度の内容と試験範囲を広く浅く覚えることにしました。この大まかな制度理解ができていると、それぞれの制度の細かい知識を吸収しやすいと思います。イメージとしては、制度ごとに大きな箱をいくつか作って、勉強していく中で細かい規定を箱の中に詰めていくイメージです。

入門講座やELEMENTSには条文とその解説が載っています。条文の文言や、それがどんな場面で適用されるのか、ざっくりイメージできるようになると良いでしょう。難解な条文もありますが、それはある程度勉強が進んだら理解する、で大丈夫です。

ある程度勉強が進んだら

短答式試験の過去問を再度読んでみてください。どんな場面の話か、少し想像できる状態になっていると思います。ただ、知識が曖昧なので、正解か不正解か迷われると思います。問題文を読んで、どの場面の話をしているのか全く分からないという方は、もう一度入門講座に戻って、制度の流れを知ることから始めてみてください。

ある程度勉強が進んだ段階では、予備校の入門講座のテキストや条文を見ながら、過去問や問題集の選択肢を解いてみて、解答の根拠を理解していくことになります。

どの場面か想像できる選択肢や、何を言っているかわかる選択肢については解答の根拠を、解説と条文を読んで理解するようにしてみてください。どの場面か想像できない、何を言っているか分からない選択肢については正誤を判断できなくて構いません。解説を読んで、場面を知って、そんなもんなんだなぁぐらいの理解で良いと思います。予備校の方は、講師の先生に質問してみてもいいと思います。

この作業を繰り返して過去問5年分を2週ぐらいすると、理解できていて確実に正解できる選択肢と、理解できない、覚えられないため曖昧な選択肢が出てくると思います。

曖昧な選択肢については、解説を読んで自分がどこが分からなかったのか、何を知らなかったのかを深掘りすることで、次に間違える確率を減らすことができると思います。

産業財産権法の流れとその周辺の知識を知り、短答式試験でどの場面の話をしているか、何を問われているかが分かれば、少しずつ正解できる枝も増えてきます。短答式試験の過去問を解いてみて、60問中20問ぐらい当たるようになれば、学習経験者と言って良いと思います。まずは過去問を解いて、解答の根拠を理解することから始めてみましょう。

学習経験者向けの勉強方法や、短答式試験の解き方のコツについては次の記事で紹介できればと思います。

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