大切な思い出

30年生きてきたなかで大切な思い出を書きとめておこうと思います。

いろんなことがありました。

つらいことの方が山ほど浮かびます。

それでも素敵な思い出が一片の破片として私の心に

残されている。

それがあるから人生を捨てたものじゃないと思える。

私の願いをなんでも叶えてくれたあの人のこと。

私が病魔と戦っていてもずっとそばにいてくれたあの人のこと。

唯一、結婚することを考えたあの人。

私の名前をつけてくれた祖父。

いつも私のことを褒めてくれた祖母。

三人でウォッカを一本飲み干して語り明かした夜。

どんなに高みへと昇ろうと私のことを忘れずにいてくれるあの人。

もう会えないあの人。

今も私と言葉を交わしてくれる人たち。

人生に行き詰まり、

絶望すると彼らのことを忘れてしまう。

簡単に忘れてしまう。

それほどに私は弱くて、

小さい。

けれど、その思い出は

去ることなく

心の中に在り続けてくれる。

その記憶がある限り、

私は絶望しても、

命を断つことはないだろう。

生きてゆくだろう。

願わくば今後も素晴らしい出会いがあることを祈って。

二度と逢えない人たちの幸福を祈って。

そして、私の知っている人たちがますます活躍していくことを祈って。

本当の声を聞かせてほしい。

本当の声以外を私は望まない。



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