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人と人がつながることの価値とは(生産者チーム・太駄雪乃)|47キャラバン#18@神奈川

1. 初めに

はじめまして!今年5月よりポケマルの生産者チームでインターンをしています相模女子大学4年の太駄雪乃と申します。大学では観光学を学んでいます。

私がポケマルのインターンに応募した経緯は、コロナ感染症が流行し、社会で様々な問題が起こっている中で“食品ロス”に関心を持ったことです。この状況下に置いて何かできることがないのかと模索していた時期に、ポケマルと出会い、ビジョンの「共助の社会を実現する」に共感し、生産者の力になりたいという想いからジョインしました。

◆ REIWA47キャラバン とは?
東日本大震災をきっかけに、現場で目にした「生産者と消費者のつながり」を日本中に広げるべく産直SNS「ポケットマルシェ」を立ち上げた高橋が、47都道府県を行脚します。
Withコロナ時代が到来し、3.11から10年が経とうとしている今、生産者と消費者はどのように関係を深めているのでしょうか。講演会や参加者との対話を通じ、気候変動の問題や食、命、幸せについて考えを深めながら、「生産者と消費者が直接つながり合う世界」の未来を探ります。
REIWA47キャラバンにかける高橋の思いの全文はこちら

2. 「47キャラバン 小田原」を通じて知った「ポケマルの価値」

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「47キャラバン 小田原」では、海が目の前に広がる会場で代表の高橋が気候変動、環境問題、食品ロス問題、若者の自殺問題と世界の問題から日本の問題、また毎朝開催している車座に寄せられた声について、2時間の講演をしました。様々な問題において現実を突きつけられ、自分事として考えさせられる濃密な内容でした。

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特に、私が衝撃を受けたのは次の話です。高橋は国内の食品ロスの問題について、年間640万トン廃棄されている中で、一人一人の「食への関心が低い」と話します。日常生活では、消費者は食品ロスの問題を重要視せず、スーパーやコンビニで目の前に置かれた食品、食材を無意識に消費する。そして、顔が見えない人が育てた食材を食べている。無意識に食材を購入しているので、食材を捨てることに対して違和感を持たない。一方、生産者側も顔が見えない人に作っている。

「地方と都市が別々で動いていて、大人になっても関係性が交わらない」。コロナ禍以前は、生産者と消費者は離れた関係でした。

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ですが、コロナ禍で生活スタイルが変わり、普段の生活にはなかった時間ができました。家族と過ごす中で、家庭で料理をする機会が増えました。ポケマルを利用した方のエピソードで、「子どもが、今まで苦手だった野菜を美味しい!美味しい!と言いながら勢いよく食べた」というものがあったそうです。ストーリーを聞いた生産者は、「嬉しい。感動した」と話されていらっしゃったとのこと。高橋は、「消費者は生産者に料理をしたストーリーを伝え、生産者は消費者に育てた食材のストーリーを伝える。そうすることで、人と人が繋がる。それだけではない。子どもは食事の時間が好きになり、子どもの食育に繋がる」と語ります。

私はストーリーを聞き、ポケマルの生み出す価値を知りました。ポケマルの価値は、地方と都市の垣根を越えて人と人を結ぶこと。生産の裏側を知ることが、「地方と都市は別々で動いているから、大人になっても交わらない」「食材を無駄にする」という現状を変え得ると思います。ポケマルは、食の素晴らしさや本質を伝えるお手伝いができる、と感じました。

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(会場から見えた小田原の美しい海)

3. 山地酪農をしている薫る野牧場の島崎さんの元へ

47キャラバン翌日、神奈川県山北町の大野山の山頂近くで山地酪農を営んでいる薫る野牧場へ向かいました。到着し出迎えてくれたのは、暖かく優しい笑顔が印象的な女性、島崎さん。島崎さんが薫る野牧場を案内してくださいました。敷地は8.8ヘクタール、仔牛含むジャージー牛5頭が自然放牧でのびのび育っていました。あいにくの雨模様でしたが、広々した牧場からは、晴れた日には右に富士山、左には小田原の街並みが望めるそうです。

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(絶景が見える日に、いつか訪れたい、、、!)

島崎さんは大学時代、東京農業大学で食品科学を学び、大学卒業後は乳業メーカーに就職を考えていらっしゃったそうです。しかし、山地酪農を営んでいる岩手県の中原牧場に実習に行った際に、人間、牛の両方に優しい山地酪農の素晴らしさに気づき、自らも始めたいと考えたとのことでした。

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(酪農の素晴らしさを語る島崎さん)

「晴れた日の、いきいきした牛の姿も見たかった」とお伝えしたとこと、島崎さんから予想外の返答をいただきました。
「晴れの日も牛がのびのび野芝を食べていてよいですが、私は雨の日も好きです。天気がよくて晴れているときだけではなく、大雨の日、風が強い日にも野芝を食べて牛が育っています。天気の変化、季節の変化を自分で感じながら牛乳を飲むのが好きです。お客様にも、その変化を楽しんでもらいたいと思っています」

最後に「これからどんな牧場を作っていきたいですか?」と質問しました。

「2つあります。1つ目は、人にも牛にも無理のない牧場を作っていきたいです。薫る野牧場の牛たちは、山道を自由に歩き回り、地面を踏み固めることで台風や大雨でも土砂崩れを防いでいます。また、野芝を自由に食べることで、害虫被害を防ぎます。この自然な循環を作ることは、牛だけではなく人間にとってもよいのです。共存共栄ができ、好循環な環境を作って行きたいです。2つ目は、いつかは私と同じように酪農未経験の若い方にも興味を持ってもらえるようにしていきたいです」

お話を通じて、普段自分の生活の中で些細な変化に気づくことはなかったと感じ、もっと小さな変化に気づけるよう「一瞬一瞬を大切にしたい」と思いました。また、島崎さんの「人間だけが豊かな暮らしをするのではなく、動物や環境にも配慮する」という考え方はこれからの生きていくにあたって非常に重要だと思いました。

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(島崎さんと高橋)

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このお話を聞いた後にいただいたソフトクリームは、さっぱりした味わいでとても美味しかったです。春や夏のソフトクリームの味はどのようなものなのか想像しながら、最後の一口まで味わいました。

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(Yamakita Sakura Cafeにて。薫る野牧場の牛乳で作られたソフトクリーム)

4. 47キャラバンを通じて感じたこと

最後までお読みいただきありがとうございます。

私は、47キャラバンの内容を特に大学生の方に知ってほしいと思いながらレポートを書きました。同年代や大学の友人で、将来やりたいことがない、社会人になりたくないという声を多く耳にします。

47キャラバンで、島崎さんや高橋の言葉から「人と人の繋がり」「行動する力」の大切さを学びました。「わかる」と「知る」ことは全く違い、実際に体験してみないと物事の本質を理解することができないと思いました。初めから諦めず、自分ができることを始めることで社会の見方が変わります。同時に、新しい人との出会いで、学びや問題を見つけることができることを知りました。私自身、人との繋がりから、誰かの力になりたいという思いが湧き、やりたいことに気づくことができました。

最後に、貴重な経験をさせていただきました薫る野牧場の島崎さん、そしてポケマルの皆さま、ありがとうございました!これからも宜しくお願いいたします。

生産者チーム 太駄 雪乃

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参考リンク

◆ REIWA 47キャラバン特設ページ

◆ 生産者と消費者をつなぐ産直SNS「ポケットマルシェ」


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