インパクトレポートの発行にあたって
当社は9月27日にコーポレートサイトをリニューアルし、「関係人口とインパクト」「サステナビリティ」ページを公開しました。
▼プレスリリース
それに合わせて、「関係人口とインパクト」ページの中で、当社初となるインパクトレポートを公開しています。
今回のnoteでは、本レポートの発行経緯や目的について、もう少し噛み砕いてご紹介したいと思います。
1.インパクトとインパクトレポートとは
まずは、”インパクト”と”インパクトレポート”とは、何なのかについて。
インパクトとは、「短期、長期の変化を含め、当該事業や活動の結果として生じた社会的、環境的なアウトカム」*1のことを指します。 いわゆる「社会に与えるポジティブな影響」のこと。
そして、その”インパクト”は何を指し、どんな社会課題の解決を目指しているのか。解決のための取り組みの成果はいかにして計測・可視化するのか、今後の課題は何か、などをまとめたものがインパクトレポートです。
近年よく目にするようになったサステナビリティレポートや、統合報告書とインパクトレポートは下記のように区別ができます。
2.当社の定めるインパクト
当社では、“関係人口の創出”をインパクトとして捉えています。
「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉*2 で、当社代表の高橋が考案した概念です。2016年に高橋の著書『都市と地方をかきまぜる』の中で、国内で初めて刊行物にて発表しています。
ではどうして、“関係人口の創出”が社会にポジティブな影響を与えるのか。
人口減少が続く日本社会において、2022年に1億2,600万人いた人口は、
2050年には2,000万人減少し、1億500万人になると考えられています。*3
人口の減少は、地方に大きな影響を与えます。働き手の減少や都市圏への人材の流出が続けば、その地域の活力を失うだけではなく、魅力ある自然・歴史・文化までもが失われてしまう恐れがあります。
そこで鍵になるのが、関係人口です。地方と関わる人が増え、都市からの人の往来が増えれば、経済活動は活性化し、その地域は持続可能に近づく、と考えています。
当社は、”関係人口は都市に「地方や自然に関わりをもつ豊かな生活」を、地方に「都市から多様な人がやってきて持続可能な田舎に」なることをもたらす”という考えのもと、産直EC「ポケットマルシェ」や「ポケマル親子地方留学」など、関係人口の創出を目指した事業を拡大してきました。
3.インパクトレポートの作成経緯
これまで関係人口創出のための事業を行ってきた当社ですが、まずは「本当に事業を通じて関係人口が生まれているのか」「生まれているのであればどういったプロセスなのか」の可視化に着手。その後、インパクト指標の策定を行いました。
議論を重ねた結果、「顔の見える流通金額」「生産者と消費者のコミュニケーション数」「都市住民が生産現場で過ごした延べ日数」という3つをインパクト指標とすることに。
これらの指標の測定・向上で、正しく事業運営ができているかを確認し、それらを経営判断に活かしていくべく、インパクト測定・マネジメント(IMM)を社内へ導入する運びとなりました。
そして、IMMを実施することで明らかになる、社会性と経済性の両面におけるポジティブな影響とその過程を開示することで、当社のビジョンに共感する仲間を増やしたいと考えから、インパクトレポートを作成・公開する運びになりました。
4.今後の展望とまとめ
当社は、 2050年までに“2,000万人の関係人口の創出“を目指します。
この目標を達成するために、当社では事業を通して”生産者と消費者のつながり”を創り出していきます。そしてそのつながりが、地域と多様に関わっていく関係人口になっていくと期待します。
そのために、 関係人口創出に紐づく3つのインパクト指標を、”生産者と消費者のつながり”を示す数値として扱い、測定していきます。
自然・歴史・風土が織りなす百花繚乱の景色が、日本中のあらゆる場所に広がっていきますように。当社では今後も「都市と地方をかきまぜる」をミッションに、「日本中あらゆる場の可能性を花開かせる」べく、企業活動を行っていきます。
▼インパクトレポート
*1 SIIF(社会変革推進財団)HPより
*2 総務省「関係人口ポータルサイト」より
*3 国立社会保障・人口問題研究所:日本の将来推計人口(2022年推計)」より当社作成
本レポートの公開にあたって、IMMの導入ならびに、レポート作成の伴走をいただいたトークンエクスプレス株式会社 代表の紺野様と当社代表高橋の対談の様子もnoteでご紹介いただいております。ぜひご覧ください。
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▼「関係人口とインパクト」ページ
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