房総の「夢の国」で。(広報チーム 竹内 祐稀)|47キャラバン#19@千葉
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房総の「夢の国」で。(広報チーム 竹内 祐稀)|47キャラバン#19@千葉

はじめまして。ポケマルの広報チームでインターンをしている、大学生の竹内祐稀と申します。47キャラバン19ヶ所目・千葉県の現場の様子は、高橋に代わり私からお伝えします!

◆ REIWA47キャラバン とは?
東日本大震災をきっかけに、現場で目にした「生産者と消費者のつながり」を日本中に広げるべく産直SNS「ポケットマルシェ」を立ち上げた高橋が、47都道府県を行脚します。
Withコロナ時代が到来し、3.11から10年が経とうとしている今、生産者と消費者はどのように関係を深めているのでしょうか。講演会や参加者との対話を通じ、気候変動の問題や食、命、幸せについて考えを深めながら、「生産者と消費者が直接つながり合う世界」の未来を探ります。
REIWA47キャラバンにかける高橋の思いの全文はこちら

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東京から車で90分。房総半島の南端に位置する館山市で、ものすごいエネルギーと人情味に溢れる素敵な方との出会いがありました。

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「博之さん、今日は俺の話を聞いてくださいよ〜」と、安西淳さん。

この方は、ここ神戸地区の名産「かんべレタス」を広めることに尽力しながら、館山に住む人と来る人が出会って交流できるような素敵な場所まで建て、さらには農園を「夢の国」にするというような夢、いや計画に向かって一直線に走っていらっしゃる農家さん。
アツいことで有名なポケマル代表高橋でさえも、「いや〜かっけえよ。群を抜いてアツい生産者だね。」と唸ってしまうほど、アツい男なのです。

そんな方々の会話に朝7時から聞き入る私は、果たして1日エネルギーが持つのか不安でしかありませんでした。

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「百笑園」

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10年前、自宅の台所の修理費をすべて充てて建ててしまったという、畑の脇にあるこの「百笑園」は、観光客や移住者をターゲットに次の3つの役割を意図して作られたそうです。

・地元の農産物の直売所
・一年を通じて野菜の収穫体験ができる拠点
・地元民が名所を教えるインフォメーションコート

……なんだかとても楽しそう! 畑の脇で採れたての野菜を販売している農家さんは度々見かけますが、小屋を建てた中に手書きのポップや野菜の紹介、さらに地域の方々の功績まで展示する方って、いらっしゃいます??

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(農園の野菜、陶芸家さんの作品、地域の情報など、あらゆるものが並ぶ)

農業や地域のことを伝える手段として本当に素敵な構想と結果、そしてネーミングだったので、一気にわくわく感が高まりました!

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元々は全く別のキャリアを築いており、後に実家の農業を継ぐことになった安西さん。

「農家になってから、赤字続きで家族を支える危機にも直面して、やめちまおうかなとも思ったけど、80歳になっても朝からバリバリとトラクターを動かすお母さんの姿を見て、俺は息子だ、絶対に耐えてみせる、と思いました。そして、どうせやるなら周りには移住者がたくさんいるし、そういういい環境も巻き込んでやりたいと思ってこの「百笑園」を考えました。」

例えば、コスト計算のできる移住者の人が、原価という概念を知らなかったような農家のおじいさんに、「それ、110円だと売るだけ赤字だから。俺がどうにかして絶対に売るから130円で売ろう。」と教えるようなことが起こっているようです。つまり、地域の交流の拠点にもなっているのですね!

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一生のリピーターを作りたい

安西さんは、理想的すぎるとも思える夢を、「この人なら叶えるだろう」という圧倒的な信頼感を持たせながら語る方です。

「小さい頃にここへ来て、『野菜ってこんなふうに育っていてこうして採るんだ。採れたての野菜ってこんな味がするんだ』というのを脳裏に焼き付ける(ハッピーセットにつられて食べたハンバーガーの味が、忘れられないのと同じように)。さらにその人が大学生くらいになって、『おいしいとうもろこしが食べられる場所を知ってるから行こう』と彼女をデートに誘う。彼女もファンになってリピーターになる。そして二人が家族になったら子供と一緒に来て…というふうに、一生のリピーターを作るのが夢。」

...…それってまさしく、東京ディズニーリゾートのあのCM。最初は親に連れられてきた子が、学生や大人になっても歳をとっても、生涯夢の国に遊びにくるというあのストーリー。まったく同じじゃないですか!

この瞬間、私の目の前には、「百笑園」と畑の前で安西さんが手を広げてお出迎えし、笑顔のゲストがわーっと押し寄せる、館山版”夢の国”の世界の映像が広がりました。

普段は生産者さんにガンガン質問をする高橋も、今回ばかりは「俺が普段言ってることをやっている。お手本です。カッコいいですね〜」と完全聞き手に回ってしまうほどでした。

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(かっこよすぎて手のサイズも敵わない!?)

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人間関係を生み出す存在

高橋、そしてポケマルが目指す「個と個をつなぐ」世界を、安西さんご自身も思い描き、カタチにされています。

安西さんの畑には、ボランティアやアルバイトで来られる方が10名弱くらいいらっしゃるとのこと。きっかけは災害後のボランティア活動で、そこから安西さんは活動が一度きりにならないようにと、ボランティアさんの「ここでもっと農業をやりたい」という声に応え、通常の作業も手伝いに来られるようにしたそうです。

土曜日の講演会場で行われたマルシェへボランティアに来ていた、東京に勤務する栄養士の女性曰く、「安西さんは仕事になるとどんなにきつい作業でも容赦無くやらせてくるし叱りもする。だけど、本人の作業の動きは考え尽くした上で一ミリの無駄もない、スポーツみたい」なんだとか。

「彼女は本当に熱いヤツ」「安西さんに言われたくないですよ(笑)」と仲良さそうに軽口を叩き合うお二人の関係。これが関係人口であり拡張家族であり、個と個がつながった世界なんだと、初めて目の当たりにし、納得しました。

高橋は、このボランティアさんたちと安西さんの関係性について、「いいよね〜」としみじみ感じ入っていました。本当にそう思います。

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「観光バスもいいけれど、たくさんの家族連れがマイカーでやってきて、そういう個人と交流したいんだ」と、安西さん。話題の場所として有名になりたい、儲けたい、じゃないんです。顔の見える個人と出会ってつながり続けたいという想いで、美味しい野菜やお米、人々の交流を育てているんです。

大学生も沢山、「野菜を育てたい、売りたい」と安西さんのところに集まって通っているそうですが、これだけ多くの人を惹きつけながら、ちゃんと関係が続くようにと自分からのコミュニケーションも大事にされているところが、安西さんの魅力なのだろうと思います。

その人柄だからまた皆が魅了されて集まってきて、その人たち同士がまた仲良くなって……という無限ループで、人間関係を自分の周りに何重にも形成できてしまうのです。

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(学生たちからのプレゼント)

さらには、農家は家族経営である以上、世帯主が盛り上げなくてはという自覚もあるそうで。家族が楽しくいられるよう、安西さんが必ずやると決めたのが、自分が小さい頃は行けなかった家族旅行。年に2回、正直キツくても、例え軽トラ1台分の旅費がかかる沖縄へ、とリクエストされても、行くぞ! と。

仕事も娯楽も、家族を支えるお父さんとして理想的すぎます。非の打ちどころがありません。実は家族にはさらに別の一面も見せていて、よくからかわれているなんていうこともあるのでしょうか??

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俺にとっての「地域」

最後に、今の想いを語ってくださいました。

「以前は、房総、千葉と、とにかく目標を広く広く捉えてやってきた。かんべレタスを多くの人に広めたり、高校生たちとご当地グルメの開発に取り組んだりと、館山や房総という大きな『地域』を伝えることに全力だった。けれど台風による災害があってから、そんなところじゃなく自分の家の周りといった本当に小さな単位のことを第一に考えなきゃだめなんだと気づいた。以前と比べて、最近は落ち着いてる? と言われることが多いけど、そうじゃなくて今はこっちの小さな『地域』の方が面白いから、こっちで頑張ってるんだよね」

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(安西さんからのメッセージ「食は命」)

ちなみに、マルシェで購入して帰った、安西ファームのイタリアンナスとコリンキーは、新鮮でとてもおいしかったです! ごちそうさまでした!

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感動体験の価値

皆さんは、「地域活性化」とはどういうことで、どんな意味があると思いますか?

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これは千葉でのキャラバンを通しての問いだったと思います。

「担当者に聞いてみても、答えられない。"活性化"だけが地域づくりの答えなのか? そうではない選択肢があってもいいのではないか?」

高橋が講演会で述べたこの話は、「地域」が注目されつつある今、関わる誰もが考えて言葉にすべき重要な問いだと感じます。私も、活性化を目指してただ成功例を真似たりすることがいいとは思いませんし、成功例と言われる取り組みがあっても課題解決には繋がっていないこともあるというのは承知しているつもりです。

その上で、私は今回、「活性」を肌で感じたと思いました。

安西さんのことは言うまでもないですが、土曜日の講演会でもその空気を感じ取ることができました。講演会でお会いした方々は皆さん、講演の間にも前後にもいきいきと話をされていて、会場の空気も温かかったです。移住者の方も多かったのですが、その事実も含め、これがいい形で活性化に向かっているコミュニティの空気なんだと思いました。

そしてふと、農家さんや漁師さんは地域づくりや活性化の源だ、という言葉が浮かんできました。第2次産業などの地場産業でも言えると思いますが、地域の風土そのものを相手としている点で、最も地域に根付き、そこでしかできないことを誰よりも常に考えている職業であるはずです。そして彼らの周りでは、皆が地域を肌で感じ、人生をかけて地域について考えています。

未来につながる地域づくりとは、彼らを中心に据えて地域に働きかけることではないか。今更かもしれないですが、館山での体験を経て、この考え方が自分の中にちゃんと腹落ちした感じがしました。

話は変わりますが、子供の頃の記憶は結構残りますよね。私には、度々訪れていた瀬戸内の景色や空気感、芋掘りや稲刈り体験をしたときに感じた難しさと楽しさ、作業後に食べるお米の衝撃的なおいしさなど、小学生以下くらいの記憶が特に強くあります。そしてそれらこそが、自分の今の価値観に大きく影響している体験だと思っています。

だからこそ、農漁業もこの子供の頃の体験でもっと元気になるのではないかと思います。実際に農家さんや漁師さんになる人もいるかもしれませんし、そこまではいかなくとも食や作り手の世界に対する想像力が働く人になり、何らかの形で貢献するようになるかもしれません。

脱線しましたが、言いたいのは、それくらい体験することの価値は大きいはずだということです。

私は地域に関わる仕事を志していますが、特に東京で生まれ育った自分が地域課題や地域づくりを語るためには、自分の五感を働かせて得た情報で議論しないと意味がないと思っています。

そんな中で、ポケマルが描く世界(関係性の作り方)に共感し、ここにいて色んな人と関っていれば、必ず面白いことが待っているし色々なものを得られるはずだと直感し、加わりました。実際、ものすごく多様な方々の生活を垣間見て、ものすごくアツい方たちの想いを聞いて、生産現場も見られて……という環境に、感化され、原動力をいただけています。

ユーザーの皆さまは、ポケマル歴の浅い私なんぞがこう思うよりずっと前から、食材やサービスの提供側にいなくとも、私以上の体験をたくさんしていらっしゃいます。

ポケマルは、そのような"感動体験"が、これでもかというくらいある場所です。

そんな場所の面白さ・意義の深さを、アプリ、SNSやテレビ・雑誌、食べる通信、マルシェ、47キャラバンなどなど、やれることの全てを通じて精一杯伝えていきたいなと、改めてカツを入れられた週末でした。

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広報チーム 竹内 祐稀

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参考リンク

◆ REIWA 47キャラバン特設ページ

◆ 生産者と消費者をつなぐ産直SNS「ポケットマルシェ」


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