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出勤して泣きそうになった

体調が戻り、実質3週間ぶりに出勤した。

打刻前に、とりあえず迷惑をかけた事務室に挨拶に行く。

総務の同僚が、えっ!?と驚いた顔で迎えてくれた。
ひとつひとつの仕事についてはお互い何から話していいのか、周りの担当も一緒にあわわあわわと言葉にならない。

なんとなくざわざわした気配に、ふと顔をあげると…

事務室のフロアほぼ全員が、スマイルみたいな顔でこちらを見ていた。

😊 😊😊   😊😊😊
😊 😊😊😊 😊😊😊😊  🧍🏻‍♀️←私

こんな光景、人生で初めて見た。
風邪ひいて休んで、久々出勤してみたら、総笑顔で迎えてもらえるなんて。

ウソやろ。
相当迷惑かけたはずなのに、誰に何をさせちゃったかもまだわからなくて、これから少しずつお礼行脚のつもりだったのに。

みんな笑ってる。

誰かに指でつつかれでもしたら、危うく泣くところだった。

本当にみんな、ありがとう。

3階に上がると、デスクの上にはモコモコ盛り上がったレシートや納品書の山があって、すっかり現実に戻されたけど、心は温かだった。


メールボックスを覗いていると、今春まで4階の秘書をしていた総務のMさんがそばに来た。

「御手洗さんのいない間ね、

御手洗さんいる?
今日、御手洗は?
御手洗ママ、いつ来る?
お母さーん!

毎日、ミタライミタライって言われてたよ。

私、羨ましくて、御手洗さんみたいな秘書になりたいと思った」

Mさんは、そう言った。

彼女こそ仕事ができるのを見込まれ、事務室に引っ張られていった人なんだけど。

そんな彼女に言われて、また泣きそうになった。

毎日無理難題に折り合いつけるようなくだらない仕事ばかりあって、もういやだ!の連続なんだけど、頑張っていたらこうして何年かに一度のボーナスみたいな嬉しいことがある。

それも、サイテー覚悟で出勤したような朝に。

たまっている仕事の1割もできなかったけれど、心満たされて幸せな一日だった。

でも、心の奥からまた別の思いが湧いてくる。

もちろん嬉しい出来事ではあった。
でも、それで喜んでいていいのかな。

解決する問題は先送りしたまま、私ももう定年過ぎてるってことも、忘れないで仕事をしよう。

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