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誕生日だったね

昨日は夫の60+2歳の誕生日だった。

そして今日は、悲しい思い出の日でもある。

8年前の朝、夫の携帯が鳴った。
漏れ聞こえる義母の悲痛な声。

ついにその日が来てしまったことがわかった。

どうしても休めない仕事がある夫。
私はひとり先に、義姉のところへ高速を飛ばした。

2週間前に見舞った日から、義姉はさらに小さくなったように見えた。

義母とふたりで、義姉の化粧をした。
病院や葬儀屋さんは、やってくれないの…?
もっと綺麗にしてあげたいのに、素人だからか動転していたからか、思うようにできないのが切なかった。

あの日から、家族のかたちが変わった。

出来の悪い嫁の席にどっかり座っていた私も、そうはいかなくなった。
何より義父母の落胆ぶりが痛々しかった。

50代半ばで旅立ってしまうなんて。
自分に置き換えたら、ぼやぼやしていられない気持ちにもなった。

当時カナダに住んでいた娘のところへ、ひとりで行こうと思ったのも、そんな思いからだった。

60を過ぎて、もう好きなことしようよと思う。

ワーカホリックで滅多に休まない夫、いやもう待っていないでまたひとりで行っちゃうか。
還暦を過ぎ、自分で自信を持って歩けるのはあと十数年だろう。
今楽しまなくていつ楽しい!?

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