フォローしませんか?
シェア
夏の暑さもやわらいだ九月の朝、風を通そうと屋根裏の物置を開けると、子どものおもちゃ箱が目に入った。 ピーピー音の出るボール、電話に積み木、子どもが幼い頃のおもちゃがギュウギュウに詰まっている。もういいかげん捨てなくちゃなぁと中を見ると、水色のアヒルがこっちを見ていた。何度片付けをしてもこれだけは捨てられない。たぶんこれからも…。 あれはもう二十数年前のこと。結婚三年目にようやく赤ちゃんを授かった私と夫は、嬉しさと不安の中で毎日を過ごしていた。お腹も大きくなり始めた頃、夫が