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晴旅雨筆(エッセイ)

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これまでの人生で書き散らしてきたノートの切れ端をちぎれ絵のように張り付けたエッセイ。本を読み、山に登り、酒を呑み、街を歩く。
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#ロシア

テロリストの《核》パラソル (エッセイ)

藤原伊織作「テロリストのパラソル」は、1995年に江戸川乱歩賞、翌1996年に直木賞を受賞したミステリー小説です。 私は直木賞を受賞して間もなく全文を読みました。 オール読物の直木賞受賞発表号に全文掲載されたものか、ハードカバーを買ったのかはもう憶えていません。 主人公が事件に巻き込まれていくと共に、振り返りたくない自らの過去をたどらざるを得ない ── とにかく傑作でした。 電通に勤務していた藤原伊織は、ギャンブルによる借金を返済するため、当時(おそらく今も?)最高だった賞

ことばと本質 ─大統領とテロリスト─ (エッセイ)

学校での《いじめ》が大きな問題になると、 ── その多くは取り返しのつかない犠牲者が出た後で ── 《いじめ》事案を担任教師が学校に連絡したかどうか、あるいは学校から教育委員会に届けられていたかどうか、など「責任の所在」に関して報道されます。 文部科学省もこの問題はきわめて重要と考えているらしく、「学校におけるいじめ問題に関する基本的認識と取組のポイント」というHPには、《いじめ》という言葉が97回も出てきます。ぜひ一度ご覧ください。 このページには、 「《いじめ》はどこに

ロシアのウクライナ侵略がトルコ旅記事に与える影響など (エッセイ)

情報が正しく伝わっている世界のほとんどを怒りに巻き込んだロシアのウクライナ侵略が始まったのは、これとはまったく対照的に、ある個人がNote1周年の連絡を受けた翌々日でした。 「マルマラ海……」のシリーズを終えたら投稿ペースダウン、とそこに書き、かつそのつもりでしたが、こんな状況で《結婚式》の話題には入れない。それは、読者だけでなく、書かれる側も望まないだろう、と思うのです。 下の記事(↓)は既に用意済みのものでしたが。 それは単に《お祝い事》と《侵略戦争》の相性の悪さだけ

世界が学んだこと (エッセイ)

自国の《独裁》が完了に近づいた《独裁者》は、 ➀ 必ず、 ➁ 次のステップとして、 弱い国(=大きな犠牲を出さずに制圧できる、と独裁者が考えた国)を侵略する。 これが、今回、世界が学んだことの《本質》だと思います。 ・ロシアとウクライナがもともと兄弟国だったからだとか、 ・プーチンが旧ソ連の領土を取り戻そうとしているからだとか、 ・自国の防衛ラインが侵されそうになっているからだとか、 いろいろな《理由》が説明されている。 どれも、それなりの《理屈》なのでしょう。 当初は

何様のつもり?/Who does he think he is?

ロシアがウクライナの侵略を開始しました。 欧米各国は当然、激しく非難しています。 アメリカのバイデン大統領は、国際世論を無視して自分のやりたいようにふるまうロシア大統領に対して、 「プーチン大統領は《何様のつもり》で、隣国の一角を新しい国家だと宣言したのか」 と厳しく非難しました。 バイデン大統領の元の英語スピーチを調べてはいませんが、この、 《何様のつもりだ!》 という和訳の「元の英語」は、おそらく、 《Who does he think he is?》 だと思われます(