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晴旅雨筆(エッセイ)

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これまでの人生で書き散らしてきたノートの切れ端をちぎれ絵のように張り付けたエッセイ。本を読み、山に登り、酒を呑み、街を歩く。
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2022年9月の記事一覧

父を語れば [3/3] (エッセイ)

さらにさらに、間があいてしまいました……。 エピソードの取捨選択に迷いがあり……。 [2/3]では、旧満州から復員した父が1年間工業専門学校の土木科で学び、中堅ゼネコンで働き始め、20代半ばで父親(私の祖父)の銭湯での死、長期に渡る闘病生活を経ての結婚について書きました。 昭和30年代、40年代の高度成長期、特に道路、橋、さらには新幹線や高速道路網を必要とした時期にゼネコンで土木技師をしていた父は、経済的には幸運だったかと思います。 しかし、現場勤めで家族と会うのは月に1

廊下でラグビー

「あー、やってたやってた、バカな男の子たちが……」シリーズでいくつか小学校時代のエピソードを書きました。 これまでのエピソードは、地域的偏りが比較的少ないものでした(豊登の「パコンパコン」は年代的偏りがありましたが)。 今回の話は少々特異なので、「やったやった共感」は少ないかもしれません。 反発係数が非常に大きなゴム製のボール《スーパーボール》が流行した時代がありました。 その少し後のこと、学校帰りにカプセルトイ(いわゆる「ガチャ」)を回したら、見たことのないものが現れ

どっちが先生? ── 内科医院の《腹話術師》 (エッセイ)

《すぐそこにある》シリーズ、小学校5年とは思えない《論理》で周りを振り回すユウタくんの活躍(?)、いつもお読みいただき、ありがとうございます。 前回は二世議員の演説会場で、父親から引き継いだベテラン秘書が彼に後ろから「指示」する情景を、 と言いましたよね。 まったく別の場面になりますが、私は《腹話術師》を実際に目撃したことがあります。 《再勉生活》が終わり、3年半ぶりに日本に戻った時、以前のかかりつけ小児科ではなく、もう小学生になっていた子供を、初めて別の内科医院に連

なりたかった職業ランキング《第1位:小説家》

さて1位です。 第1位 小説家 これは、記憶にある限り、自分史上最も古い「なりたい職業」でしょうか。 《少年少女世界推理文学全集》に刺激を受けたと書きましたが、おそらくはさらにさかのぼります。 最も古い創作は、小学校2年「ボールの冒険」と題する絵本でした。草野球で強打者が打ったボールがそのまま空を飛び続け、カラスを初めいろいろな出会いを通して学んでいく話です。 国語教師の免許を持ち投稿魔だった母、客の来ない貸本屋を営み投書魔だった母方の祖父から、《業》のようなものを受

なりたかった職業ランキング《第2位:発明家》

note上ではアリエルさんに、 「科学的且つ論理的な変人」 「イメージはイカレた科学者」 とおホメ(?)いただいたことがあります。 自分でも、30代の頃、ローカル・フリーペーパーに「子供の頃、何になりたかった?」と尋ねられ、 「科学者」 と答えました。 でも、よくよく振り返ると、それは「後の世」の錯覚で、実際に《なりたかった職業》は、 第2位 発明家 でした。 これも、きっかけは「本」です。 小学校3,4年頃、父親の本棚にあった、「思いつき夫人」という本に強い影響を

なりたかった職業ランキング《第3位:探検家》

3位~1位はnoteのプロフィール欄に挙げているので、以後、少なくとも表題にサプライズはありません。 第3位(同率) 探検家 探検・冒険にあこがれる子供は多い(多かった)はず。女の子より男の子に多いのは、ロビンソン・クルーソーからワンピースのルフィに至るまで、探検・冒険物語(マンガを含む)の主人公に♂が多いからでしょうね。 TVドラマ「3年A組―今から皆さんは、人質です―」の主題歌「生きる」を聴いた時、  ── 中南米あたりの探検家♬ の所で心がトキメキました。 50代

なりたかった職業ランキング《第4位:教祖》

一時期note上で大流行した「才能適職診断」で、これが《適職》3番目に出てきた時、ドキリとしました。 (うーむ……なぜ知ってる?) 4位 教祖 といっても、現在、そして過去に世間を騒がせたような、カルト教団の教祖とはまったく異なります。 中学の頃《新約聖書》を愛読していたと書いたことがあります。「ジーザスの大冒険」的長編小説として読んでいたのですが、その中に「教祖の起こした奇跡」が何度も登場します。 高校時代には「ノストラダムスの大予言」なる本や映画がヒットし、199

なりたかった職業ランキング《同率第5位:ヒモ》

《薬草栽培農家》と同率5位の職業です。 第5位(同率) ヒモ 果たして、《ヒモ》というのは「職業」なのかどうなのか、異論はあるところでしょう。 でも「なりたかった」のは間違いないし、ある意味、「なってしまった」とも言えます。 私には2歳上の姉がおり、幼い頃から彼女とその友人♀たちとの「ままごと遊び」に付き合わされていました。 この状態は長期に渡って続き、高校生の頃には姉の友人たちと街に出かけたり、泊りでスキーに行ったりしました。 少し年上の女性に囲まれ、世話を焼かれな

なりたかった職業ランキング《同率第5位:薬草栽培農家》

凛さんの記事に触発され、コメント欄で応援いただいたこともあり、同じテーマ、同じ5位~1位ランキングで書き始めました。 始めると、ひとつひとつにかなり熱い思い入れと歴史があり、長くなってしまうため、 5位⇒5位(同率)⇒4位⇒3位⇒2位⇒1位 と1回1テーマずつ書いていくことにします。 まずは、 第5位(同率) 薬草栽培農家 ヤバい《薬》じゃないですよ。 時代は高校2年までさかのぼり、その頃の「自分周り」のミクロ環境と、「第1次オイルショック」というマクロ状況とが掛け

筆箱立てて《上履き底で机上ピンポン》

アフリカ出稼ぎ娘が帰省したタイミングで、卓球場に誘い、貸卓で1時間、勝負しました。 《敵》は小学校から中学にかけて卓球部だったので、かなり余裕であしらわれましたが、途中からこちらが本気を出すと向こうもギアを上げ、結局ジジイは惨敗でしたね。 卓球は我が家の重要な家庭内スポーツのひとつで、今でも台のある温泉旅館に行くと必ず、同居人と真剣勝負!します。 《卓球》は、格闘技のように筋肉の塊りだったり、バスケやバレーボールのように巨人だったりでなくても、コツさえ覚えれば小型・非力でも

「あー、やってたやってた、バカな男の子たちが……」

小学生時代のエピソードを漏らすと、ほぼ同年齢の同居人からそう言われた話をふたつ、書きました。 プロレスへの思いは強いらしく、私同様「バカな男子」の皆さんから熱いコメントをいただきました。 でも、《豊登のパコンパコン》はさすがに古すぎるようです。これ、プールの時間にはホント、大流行したんですが……。 海パンに着替え、シャワーを浴びて現れた半裸の少年たちが、一斉にパコンパコンやり出す光景を想像してみてください。 ……バカバカしいほどに《圧巻》ですよ! 女の先生は手をパンパン

高校時代に好きだった、海外女性シンガー2人

昨夜投稿した下記記事は、大学時代に好きだった女性シンガーの曲紹介でした。 この中に、「海外女性シンガーも2人」と1行書いたのを、アリエルさんに「誰かな?」コメントいただきました。 彼女が挙げた「ジョニーミッチェル」「ダイアナロス」もいいのですが、私の贔屓は、ひとりはロック/ブルース、もうひとりはフォークの代表的歌手です。 時代は昨日記事の頃よりもう少し遡り、高校時代です。 どちらも「定番」で、サプライズ無しなのが、やや残念なところではあります。 高校時代は主にビートル