人材採用エピソードと組織のその後 2 どうしてそんな話ばかりするのだろう?
一連の採用面談を終えた時、私は疲労困憊していた。
これほど精神的に疲れたことは、それまでなかった。
建物から外に出た後、その《高み》を振り仰いだ。
(自分がこの職に就いたとしても、とても長続きするとは思えない)
それは、次第に確信に変わっていった。
歩道の公衆電話ボックスに入り、北九州に住む婚約者に電話した。
「この仕事には向いていない ── 進学しようと思う」
100円玉が次々と機械に呑み込まれていった。
「好きにすればいいよ」
彼女は言った。
国家公務員の志望者が激減し