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2歳の心が壊れかけるのを見た。

1年以上、経ったので、書いてみる。

コロナ禍が始まる前の2019年、次男が風邪をこじらせて、肺炎になり4日間入院した。

当時は2歳ということで夜間も付き添いOKだったので、夫と交代で付き添えた。(いまは感染症対策で付き添いNGと思う)

とはいえ、いつもと違う環境にストレスを受けたのか、次男の様子は普段と違っていた。

看護師さんや先生がベッドにくるたびにおびえる、オムツをかえようとするたび、着替えをしようとするたびに暴れる。ほとんど笑わない。話さない。

点滴があるので抱っこはしにくかったけれど、なるべくそばにいたし、看護師さんたちも優しく接してくれたのですが…。よく分からないまま、点滴をされ、酸素濃度測定用の器具もつけられたり、柵つきのベットにつれてこられ、ショックだったのだと思う。

さらに、2日目あたりに「あれ?」と思った。

乾燥のせいか、荒れた唇をずっとむしっているのです。
「気になるのね~でも、痛くなっちゃうよ~」と促しても、どうしても手がいってしまう。
ついには、むしりすぎて血がでてしまった。

そして、3日目は、まゆげやまつげをしきりに触って、むしろうとしている。

手を止めようとしても、すぐに戻してしまい、無意識にずっとむしりながら、ぼーっとしている。

ちょっと違うところに手がいったなとおもったら、点滴をとめてる包帯の糸をむしろうとしてほつれていた。

ピンときた。「ストレス行動だ…」

ストレスで毛髪をむしってしまう「抜毛症」というのがあったことをおもいだした。

そっか、彼はこの行動でなんとかかんとか、精神を保とうとしているのだ。アラートをだしてくれているのだ。

無理に止めるのはよくない。そして、ナースステーションにいって看護師さんに相談した。

いちおう先生にも伝えてくれて、考慮していただき「予定より1日はやいけど、落ち着いているし、お家に帰ったほうが良いですね」と翌朝の退院許可をだしてくれた。

帰宅後も数日は続いたのだけど、徐々に行動は減って、1週間後くらいにはほぼ気にならなくなった。

当時はとても心配したし、こんなにも簡単に心のバランスが崩れてしまうものか、と思った。



だけど、今思うと防御反応として「心が辛い!大変だよ!」ってちゃんと行動で示してくれたのはありがたいし、そういうものを見逃さないようにしないといけないという学びをくれた出来事でもあると思っています。誰かの役にたつかもなので、書き記しておきます。


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1年越しに書きながら、想うこと。
この1年は感染症の影響で小児病棟も入院中の面会がかなり制限されて、辛い想いをされている親御さんも多いだろうなと心を痛めています。看護師さんたちの負荷もあがっているだろうなと察しますし、頑張るこどもたちと支える人達に敬意とエールの気持ちを抱いています。


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