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装具に関する「2対6対2」の法則⁉
こんにちは、義肢装具士のみうらです。
どこの病院、施設でも感じるのが、装具に対する積極性がセラピストさんによって異なる、ということです。
そして装具に関して「積極的に使う人」「指示されれば使う人」「頑として使わない人」の割合が、それぞれの組織でおおよそ「2対6対2」となっているように感じます。
セラピストさんの知識量の差が積極性に影響しているのでは?と考えて「装具勉強会」などを開催しても、やはりもともと積極的な2割が興味を持って参加、中間層の6割はなんとなく参加、残り2割は不参加といった具合…
結局、積極的に装具を扱うセラピストさんの割合は変わりません。
だからこそ、多くの回復期リハビリテーション病院では、装具カンファレンスといった形で担当セラピストの装具に対する意識の差がリハビリの質を左右しないように、仕組みを作っています。
(もちろん、装具カンファレンスには多職種の意見を取り入れる、経験の差を埋める、早期の作製を促すといった意味もありますが)
装具カンファレンスを行うと「リハ医」という強力なリーダーシップを持つ存在が現れるので、中間層6割は基本的にリハ医主導のもと装具を検討します。
では、その強力なリーダーシップを持つ「リハ医」が存在しない生活期の通所施設などではどうすればよいのでしょうか?
施設内の仕組みとして
「脳卒中後遺症を有する患者さんには、とりあえず装具が必要か否か検討する」
「装具装着中の患者さんには、必ず装具の適合状態を確認をする」
といった、ルールがあれば良いのではないでしょうか。
例えば、介護保険におけるサービス担当者会議に「義肢装具の検討」といった項目があれば良いのですが、現状、義肢装具は介護保険の分野に入っていません…(泣)
さらに、利用者側にも知識を持ってもらうことが大事です。
利用者やその家族が
「脳卒中後遺症があれば装具を検討したほうが良いらしい」
「装具を使っていれば定期的に点検をしたほうが良いらしい」
という知識を持っていれば、おのずと装具検討ができる施設を優先的に選択するはずです。
結論は
病院・施設内において、装具を積極的に扱えるセラピストを増やそうとするよりも、施設内で装具を検討する仕組みを作ることが大事!
そしてその仕組みを作ることで、脳卒中後遺症をもつ利用者とその家族が、病院・施設に対して安心と信頼を感じられることが大事!
ということです。
私自身も、情報発信の対象をセラピストさんだけではなく、患者自身とその家族まで広げていかないといけないですね。がんばります(^^)
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