装具難民問題と私たちにできること

こんにちは、義肢装具士のみうらです。

みなさんは「装具難民」という言葉はご存じでしょうか?脳卒中患者さんの多くは急性期・回復期病院にてリハビリを受け、そのリハビリ過程で下肢装具を処方されます。

そして麻痺が残存する場合は退院後の生活で装具を使用することとなります。しかし、処方された装具は退院後の生活で十分にフォローされることなく、装具の破損や不適合、それに伴う装具の不使用、さらには活動レベルの低下といった悪循環に陥ります。

装具難民とはそういった悪循環に陥った方々のことを指します。

装具難民の問題は後遺障害を持った方々が、地域社会で自分らしい生活を営んでいくうえで、大きな障壁となります。具体的に装具難民とは以下のように定義づけされております。

①何らかの機能障害により本来装具が必要な状態だが装具処方のない状態

②処方された装具が耐用年数を越え放置されている状態

③装具は処方されているが機能変化により装具が不適合な状態

④装具が破損しても放置されている状態

⑤装具に異常がある場合どこに問い合わせていいのか知らない状態

⑥関わる医療・介護・福祉スタッフが装具に関する知識が薄い状態

これらの一つでも当てはまる状態が装具難民であるとされております。この定義にはたくさんの要素が詰まっているので一つずつ中身を見て行ってみましょう。

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