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【10秒で読める小説】リクエスト

未亡人になった友人が言った。

「夫が夢枕に立って言ったの。俺は天国でいい人が出来たからお前も気にせず再婚しろって──私そんな気ないのに」

「ご主人の気持ち、わかるなあ。あなたに前を向いて欲しくて優しい嘘をついたのよ」

友人は目をつり上げた。
「嘘じゃないと思うわ。最新のスイーツを仏壇に供えてくれ、なんて言ってたから。新しい女に渡す気なのよ」

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