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優しい花屋さん #2


真っ暗な闇の中。

目を開けた先に淡く小さい光が浮いている。

その光は僕から徐々に遠のいていく。

その光に近付けば近づくほど
光どんどん早く僕から離れていく。

「置いてかないで!!!!!!!」

声にした途端、
淡く小さい光は何も無かったかのように
消えてなくなってしまう。

また真っ暗な闇の中でひとりぼっちだ。

何かを忘れてしまったかのように
ぽっかりと空いた心の穴は

目を覚ましても埋まらない。

分かってる。ここは夢の中だ。

じゃあいっその事。

辛く苦しい現実に戻らず、
この暗闇の中で過ごしたい。

朝も昼も夜もない。

無の場所。

僕一人が存在できる場所。

僕も気づいてる。

忘れてしまった何かはここにしかないのだと。

「あぁ。もうすぐ朝が来る。」

真っ暗な闇から真っ白な箱へと変わってく。

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