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サラメシを見て思った。お母さんだって楽したっていいじゃないの。

12月15日のサラメシで、ベビーフード開発者のサラメシを紹介していました。
その中で、開発者の方が、
『ベビーフードを使うことに罪悪感を感じないで欲しい』とおっしゃっていました。
その言葉を昔の私に聞かせたかったなぁ。
考えたことを記してみる。

子供が生まれたのは10年以上前。
料理ほぼ初心者な上にめんどくさがりな自分をわきまえず、
手作りである事にこだわっていた。
初めての育児、1人で息子と向き合う。
今までは仕事してるしー、と手を抜いていた家事も
育児”休業”中の身である私には、手を抜いてもいい理由を探すことができなかった。
育児も家事も完璧にこなさねばという脅迫にも近い感情に押しつぶされそうになっていた私は、
疲弊して、疲弊して、笑顔のない母親だった。

私の母親は、手料理である事にものすごくこだわる。
父は、私たち子供には優しい人だったが、母の人格や尊厳を徹底的に貶めるモラ夫だった。父のワイシャツにアイロンをかけながら、父の悪口と、下の弟が18歳になったら絶対に離婚するんだと毎日のように私に言った。

子供が大きくなるまでは離婚しないと決めた母は、
父のモラハラに対抗する手段として
自分の存在価値を
『身体にいい食事を作り、家族を守る自分』に設定したんだと思う。

パートでどんなに忙しくても、材料にこだわり、手間暇を惜しまず私たちに食事を作ってくれた。
早起きしてしっかりした朝ごはんと豪華なお弁当を作る。品数も多く、バランスの取れた私のお弁当は、友人達に羨ましがられた。

パートから帰れば、子ども達の夕飯、父の晩酌のアテを作っていた。
レトルトや冷凍食品なんてもってのほか。味噌汁の出汁は鰹節を削るところから。夕方、鰹節を削ってと言われるのが嫌だった。
栄養学を市民講座で学んだ母は、お刺身はこの量で1単位などと言いながら献立を考え、塩分を控えても美味しく感じるにはこれを入れると良い、などと中学生の私に教えてくれた。
今でも母の食事はとても美味しい。帰省するとすこぶる体調が良くなる。

この母の姿勢は、私に見えない鎖をかけた。
母は女は料理が好きになる義務があるといった。
母は私にもそうあるべきだと求めたし、私もそうあろうと苦むのだ。

そんな私を見て、旦那は
「何にそんなにこだわっているのか。大変だったら惣菜でいい。カット野菜で大丈夫。」と言い、
スーパーで買ったカット野菜と冷凍食品、インスタント味噌汁で夕飯を作ってくれた。

今でも私が残業で遅くなり、急いでご飯作らなきゃ!と慌てて帰宅すると、
キッチンから旦那が笑顔を覗かせてくれる。

子供と一緒にいられる時間はもうすぐ終わる。
旦那と一緒にいられる時間も無限じゃない。

今日も私は、頑張らないことを頑張る。いつでもご機嫌でいるために。

夕飯お惣菜の日があっても、家が少しよごれてても、
きっとその方が家族も幸せだと思う。



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