肌着の大将

どーも、なりたい元素はカドミウムです。
カドミウムってなんだっけ。

と言うわけで誰に需要があるか全く不明な、小学生の頃の馬鹿話である。
高学年になると愚かさはそのままに、ムダな知識や行動力を持つことで強大なバカをやることが増えてくる。

その最たるモノが「テレビ番組のマネ」である。
例えばプールの着替えの時にパンツの上から水着を履き、そこから内側のパンツだけを取り出す"パンツ大作戦"なんかは、同じ世代であればほとんどの男子が遂行している。

今となっては、お前のちんこ見えたくらいで女子も騒がんわとも思うのだが、当時は1ミリも見せたくない、見られたら死亡くらいに思っていたので、プールの日はいつも必死だったように思う。
大体は、周りの誰かが「おれ、パンツ大作戦いくよ」と言い出し、そこに追随するのが常であったが、言い出す者もいなくなり、いつの間にかやらなくなっていた。

また、放課後の校舎には怪しさが纏い、邪悪な子供達が出没し始める。
夕暮れの人が少なくなった校舎で、子どもたちは秘密の遊びをするのである。

教室の横に資料室という物置があった。
授業で使われる教材や、先生が作った何かだったりが置かれており、カーテンも締め切りのため薄暗さと狭さが怪しさを増長させている部屋である。
もちろんそんなんだから誰も立ち入らないし、興味を持たない。
開かずの間と思いきや、小学生の興味の範疇外のため、先生も気が緩んでいたのかカギは開けっ放しであった。

友達数名でそこに行き、野球拳しよーと誰かが提案した。
最初はポカーンとしていたが、提案者が「ジャンケンで負けた人が1枚ずつ脱いでいくゲームだ」と説明すると、「なんて刺激的なゲームを知ってんだ」と、周りがやろうやろうとノって来ていた。

「勝負×裸」という小学生にとっての大好物である。
アホなので「やらない」という選択肢はない。

しかし、当時から貞操観念におべべを着せてコンサバティブとネガティブを両手に持たせたような存在だったおれは、自分がやることを非常に嫌がった。
さらには、男同士である。ちんこ同士である。
今考えてもなんのためにやるのか理解が及ばない。

そのため、瞬時に「おれたぶんジャンケン勝っちゃうし、やってるところを先生にみつかったら大変だから、ほんとはやりたいけど部屋の見守りするよ。ほんとはやりたいけど」と提案した。
アホばかりなので「たしかにみつかったら大変だ。見守りしてくれるなんてオマエはなんていい奴なんだ」とOKをしてくれた。
この頃から人心掌握について本気出して考えていたと今になって思う。

資料室の内側ではジャンケンの勝敗によってわーきゃー聞こえる。
別のクラスの生徒が近付いた時なんかに「みんな、人が来るぞ!」なんて言うと、「あぶねー」なんて言いながら静かに隠れていたりした。
想定していなかったこんなやりとりも共犯的な背徳感があり楽しい。

最終的な終わり方はうろ覚えだが、1人が全裸になりみんなでわーきゃーしていたように思う。
何度も言って申し訳ないが、登場人物は全て男である。
実にアホの所業。

実際やってもいないのに何十年も忘れていないのだから、強烈なインパクトを残したのだと思う。
人生を終えるその時の走馬灯に一瞬映り込んで来そうで今から憂鬱であるが、これからも大事な思い出として覚えておきたい。

そして皆様には、
「ちんこは僕らの操縦桿」
コレだけを"覚えず"に帰っていただければと思います。

小学生の戯言でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?