自分に合う仕事が分からない話
TV番組で社会人マナー講師的な立ち位置の人が「自分にこの仕事が合わないと考えるのではなく、自分がその仕事に合わせるのが社会人なんです」と言っていた。
それを10数年前の夜に、祖母と談笑しながら流し見していた。そのせいで、どんな文脈でそのセリフが語られたのかは全く覚えていない。きっと働けない若者とか、当時ホットな話題だった、ニートという存在に言及していたものだろうとは思う。
まだ小学生だった私は、番組の中で語られるその言葉に、司会者や雛壇に座る芸能人たちが「全くその通り」といった反応を示しているのを見て、これが社会人のあるべき思想なのかと感じていた。
おかげさまで、前職での労働を苦しいと思い始めていたときも、自分を仕事に合わせなければ…という気持ちでいっぱいだった。
幸か不幸か、一瞬だけ表面上で取り繕うことは上手だったので、その一瞬を運良く切り取られ評価してもらっていたのだが。
結局心がついていかずに、退職となった。
いま現在も、同種の職業に従事しているが、入社1か月めでもう心のしんどさを感じている。
新卒から同じ業界にいて、3年目。やっと自分がこの職種に"向いていない"ことが分かってきた。
しかし、今さら他の業界でうまくやっていける気もしない。
いつか、かわいい雑貨屋や素敵な本屋で働いてみたいけれど、生活と夢はなかなか両立できない。
「自分に仕事を合わせることができない」私は、社会人として間違っているのだろうか。
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