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大きくなったらプリキュアになれると思ってた話

みなさんは、プリキュアを見たことがあるだろうか。


私はある。
プリキュアが大好きだ。


どれぐらい好きかというと、大学の卒論もプリキュアをテーマに書くぐらい好きだ。どのシリーズもほとんどの話でうるうるするか、泣く。


では、質問を変えよう。


皆さんプリキュアになれると、選ばれると思ったことはあるだろうか。


私はある。
高校卒業する手前くらいまでわりと本気で思っていた。



小学校1年生の冬。2年生への進級を控え、みんな、ほんの少し大人になれる気がしてソワソワしていた。人によっては、弟や妹の入学を控え、兄や姉としての振る舞いに悩む者もいた。


そんな中、私はめちゃくちゃかわいくて超強い女の子に出会う。
それが美墨なぎさちゃん、雪城ほのかちゃん。つまりキュアブラックとキュアホワイトだった。


正直、当時の記憶は朧気で、どこを見て好きになったのかはもう覚えていない。
ただ、キュアブラックがあまりにもかっこよくて、キラキラで。今まで見ていた戦隊ヒーローはなんだったのかというぐらい好きになったのは確かだ。
あと雪城ほのかちゃんの家庭環境に若干自分を重ねてた。


そんなある日。

道徳の時間で、来たる進級の心構えのようなものを発表していくついでに、将来の夢を問われた。
「来月からみんなは2年生になるけど、みんなは大人になったら何になりたいですか?」
という、よくある大人からの質問だった。

みんなは口々に夢を答えていく。「消防士」「お医者さん」「お花屋さん」「サッカー選手」などなど、子どものスターたる職業が羅列される。


「じゃあ、皮下脂肪ちゃんは何になりたいのかな?」


「プリキュア!」


クラス中が、ぴたりと。その賑やかさを失った。
そう、私はプリキュアになりたかった。


突然空から妖精が飛んできて、故郷の国を救ってほしいと懇願される。よくわからぬままキラキラのかわいいコンパクトかガラケーを渡されて、気づいたら変身して敵と戦いたかった。
同じクラスの子の将来への不安とかから生まれた謎の怪物を、スーパーパワーで蹴散らして救いたかった。そして何故か、自分はプリキュアになれると確信していた。
しかしプリキュアは、その時点で小学生ではなれなかった。最低でも中学生である必要がある。
なので中学生になったら、プリキュアになれる。本気でそう思っていた。


先生は、ただたじろぐだけだった。
そのあとすぐ次の子に質問が移ったので、その後のことは覚えていない。しかし、私はそこそこクラスで浮いていたので、特に差し支えはなかった。


あと言い忘れていましたが私は男としてこの世に生を受けています。


以降このマインドで小学校を卒業し、中学生になった。1年生だったので、まだ妖精は来ないと思っていた。プリキュアはだいたいが中2だったので。
それと、もうすでに思春期に足を突っ込んでいたので、私はプリキュアになれると信じていることは誰にも言えなかった。
でも練習は怠らなかった。たぶん自分は3〜4人目くらいだろうと思っていたので、黄色か緑のプリキュアになると思っていた。なので、絵とか上手くなっとけばキャラ立つだろうと思っていた。イラストの腕を上げようと必死にがんばった。(結局下手だった)



そして、中学2年生の春。新学期。



私の元に妖精は来なかった。



あ、これ追加戦士になるやつか。



と思って特に気にしていなかった。

なんなら追加戦士になるために一人だけ違う形状の変身アイテムを授かっても良いようにコンパクトやガラケー以外の形の変身アイテムを考えて練習していた。あと追加戦士ってひとりで敵のこと浄化できることが多いので、ひとりで敵を浄化できるように単独行動を心がけた。友達と遊ばない休日は、行ったことない場所にひとりで行ったりした。

そして、受験が終わり、高校生になった。



妖精は来なかった。



ま、でもキュアムーンライト高2だしな。



と思って特に気にしていなかった。
そして、受験が終わり、高校を卒業するころ。



あ、私プリキュアになれねぇんだ。



ようやく悟った。
そして、深く深く落ち込んだ。だってなれると思ってたから。その日はご飯が喉を通らなかった。だって私もプリキュアになってご近所とか世界とか救って、なんなら来年のプリキュアと一緒に映画出てすごい規模の敵から地球を守りたかった。
べっそべそに泣いた。



しかしその2時間後くらいに気づいた。


あ、これ私来世でプリキュアになれば良いんだ。




私はまだ、プリキュアを諦めていない。




※画像は一昨年アーティストの方に描いてもらった私の顔です、全然関係なくてごめんなさい

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