ただ生かされている

メニエール病になった。内耳のリンパが増えすぎているのが原因だそうで、過度なストレス・睡眠不足が主な要因らしい。

2週間ほど前から、左耳だけ低い音の耳鳴りが一日中止まず、寝付くのにいつもの倍の時間がかかっていた。
現在は障害者施設で暮らしているのだが、隣の部屋に男性が入ってきた。その男性がちょこちょこ何時間かおきにうめき声を上げるので、なかなか寝付けない。もしくは起こされる。それも相まってほぼ昼夜逆転している。

軽いフラつきや目眩は、入院していた頃もあった。特に気分が悪くなるとか、悪化している節がなかったので、よくある事として気にしていなかった。もうアラサーだし、体の不調は増えていくものだと。

思えばそれが初期症状だったのかもしれない。聴力検査を最初にしたとき、聞こえに関しては別に異常は無いだろうと思っていたのだが、低音域の一部が同年代の結果と比べて悪かった。

医師は「低音の耳鳴りが続くのも、この低音域の聞こえが鈍くなっている事が原因です」と言って、諸々の観点からメニエール病を診断した。難病・奇病のような病名だが、調べてみるとそこそこ患者数は居そうで、なんとなく安心した。イソソルビドというシロップ薬で、内耳のリンパを排出するから、耳鳴りは徐々に治るとも。しかし一度治ったように思えても、何度も再発する病気と言われた。

ついでにコロナの後遺症で、嗅覚障害が起きていることも相談すると「10月くらいまで漢方の投薬を続けて、それでやっと効果があるかどうか。6割が戻りますが、4割は戻りません」とのことだった。

酷く不味いシロップ薬を処方され、漢方の種類が増えた。

なんだか、"ただ"生かされてるなぁという気になっている。

死のうとして飛び降り、無駄に助かり、脊髄破裂損傷により下半身不随。排泄も1人ではままならない体になって、嗅覚障害も治らず、長期的な治療を余儀なくされる聴覚の病に罹った。

延命治療がずうっと続いているような感覚。

障害者施設では、もちろん入居者の9割が後期高齢者。従業員も高齢者への対応が身に染み込んでいるため、私も高齢者のように扱われている。

友人たちはもちろん働いているし、いくら入院時より面会しやすくなったとはいえ誰にも会えるわけがない。そもそも私が人に会えるメンタルでないことが多いのもある。とりあえず社会に復帰しなければと思い、空いた時間で語学や資格の勉強でもしようとしてノートに向かうが気力が湧かない。YouTubeとTikTokを延々と見て、飽きたら眠る。そんな生活を送っている。

グロテスクだと思う。

このままただ生きている、生かされてる感覚が続くのなら、やはり早く死にたい。それはどうしても変わらない。
日本にも早く、尊厳死の選択肢が導入される事を願うばかりである。

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