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担当ちゃんと私⑤

お店に入ると、いきなりイケメンがずらっと並んでいてこちらを見た。

「ぃいらっしゃいませぇーぃ!!」


威勢がいい。

なにせ威勢がよく、場違いさを感じてそわそわした。

(勢いだけで来てしまったけれど、こんな私が来てゴメンナサイ。。)


ライブ帰りのカジュアルな服装。

ブランド品も何も身につけていない。

丸腰で敵陣に乗り込んでしまったような心細さだった。


・・・


キャッシャーで、係りの人が対応してくれた。

初回のシステムの説明と、金額。


その間、通路に立っているイケメンホストに上から下まで眺められ、

軽く拷問を受けている気分だった。


『陰キャBBAにホストはハードル高い・・・』


「身分を証明するものはありますか?」と訊かれ、

しぶしぶ、盛れなかった写真付きの運転免許を提出し、入店。

(免許の写真、撮り直したい。。)


・・・


やっとあの拷問の時間が終わりほっとしたのも束の間、内勤の人がやってきて

「ひとりお付けできますが、誰がいいですか?」と訊いてきた。


(誰がいいですか、と訊かれても・・・みんな同じに見える。。)


「賑やかなの、苦手なので。。落ち着いた感じの人で、お願いします。。」  と相談し、適当に選んだ。

「では、これからホストが挨拶に参りますので。」


・・・

内勤の人が行ってしまった。


ひとりぼっちになってしまった。。


またあの『入れ替わり立ち替わり・怒涛の(同じような)トーク攻撃』が始まるのだろうか。。

不安な気持ちを抱えながら、借りてきた猫のように席に座っていた。


・・・


店内を見回してみた。

客数はまばらだったが、一人で来ている女のコが多かった。


ライブが終わってその足で来たから、まだ早い時間だった。


席に付いてないホストも結構居て、店内をうろうろしていた。

みんな動きがムダに()カッコいい。


・・・


その中でも、ひときわ目を引くホストが居た。


みんなカッコいいけれども、群を抜いて素敵に見えた。

ずっと目で追ってしまっていた。


店内の様子を眺める迫真の眼差しや、機敏な動き、整った顔。そして、

大好物であるスラッとして長い脚と金髪!碧眼!!(カラコン)


「素敵だな」と、席でひとり待つ間に盗み見(でもガン見)していたのだが、


最初にテーブルについてくれたのが

なんと、彼だった。



つづく



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