ソーシャルPM手法 大学生への普及活動へのチャレンジ(後編)
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ソーシャルPM手法 大学生への普及活動へのチャレンジ(後編)

ソーシャルPM研究会の石塚です。
ソーシャルPM研究会が都内の私立大学経営学部に寄付講座として、2019年秋季、2020年秋季の2年連続で実施している「ソーシャルPM講座」についての後編として、2年目の取り組みについて投稿します。
(前編はこちら →  『ソーシャルPM手法 大学生への普及活動へのチャレンジ(前編)』 )
コロナ禍で社会情勢が大幅に変わったことにより、1年目と取り組み方が大きく変わりましたので、計画、準備・授業運営などの観点で考慮したことや気づきについて記してみます。


2019年度の秋季講座が終了した2020年2月に講師陣全員で講座全体の振り返りを実施するとともに、2年目の講座の計画に着手しました。ひとりでも多くの学生が本講座に興味を持ち、受講登録していただくために、シラバスは1年目のものより、大学生にとってわかりやすい表現を使用することを心がけしました。また、1年目の受講者はソーシャルPM講座の前提となる、プロジェクトマネジメント、SDGsの認知度が低かったため、『プロジェクトとSDGs』を授業に追加しました。
ソーシャルPM講座の講師を増強しました。1年目は5人で運営しましたが、各自が本業やソーシャル研究会の活動、社会貢献活動などでより多忙になってきましたので、ソーシャルPM研究会主催の講座の講師経験者や研究会の運営に深く関わっている3人に新たに協力いただくことになりました。スタッフが増えたことにより、各講師の負担が減ったことだけでなく、準備、講座全体の運営において、より有意義な意見を交わし合い、斬新なアイデアが浮かぶようになったという効果を生み出せました。


コロナ禍での授業運営方法について、2020年度の始めから大学側で様々な検討をされていることを共有いただいており、対面授業を実施していた1年目と同じ形式で運営することは難しく、おそらくリアルタイムで対話型のオンライン方式の授業になるだろうと予想し、どのように講義・演習を実施しようかと講師間で議論を重ねてきました。 
ところが、8月下旬に大学側から通達された授業方法は録画配信方式の『オンデマンド』でしたので、新たに以下の懸案事項がでてきました。

◆オンデマンド授業では受講生の様子が全くわからない
対面授業やオンラインでは、受講生の反応を見て、補足説明したり、時間配分を変えたり臨機応変に対応できるが、オンデマンドではそのようなことが一切できない。
◆オンデマンド授業を提供することは、講師陣のほぼ全員が実質初めてであり、Zoomの録画機能については私も含め半数近くが利用したことがなかった。

これらの懸案事項については、以下の通り対応しました。

◆1年目以上にわかりやすい講義資料を提供し、講義では受講者が理解しやすい説明を心がける。
◆PMI日本フォーラムのオンデマンドのプレゼンテーションを経験者から、録画方法、説明方法、時間配分の工夫などについてもらったアドバイスを活かして準備する。一部の授業では音声読み上げ機能を試行的に利用した。


イメージ:オンデマンド授業を受講する学生

大学講師後編

講義以上に我々を悩ませたのは演習の実施方法です。
本講座では講義で学んだことを演習のケーススタディで体験し、受講者に理解度を高めていただくことを狙っているからです。
懸案事項は以下の通りです。

①1年目の対面授業では模造紙、付箋紙などを使って演習を実施したが、オンデマンドではできない。
②4、5人1チームでの共同作業を実施できないため、受講者が理解度を高めるための意見交換ができない。受講者が独自に考えて課題点を洗い出し、解決策を導きだせるだろうか?
③他チームの発表を聴くことができないため、受講者自身が検討結果について比較できる対象がない。
④オンデマンド方式の授業の演習で受講者の理解度を高めることが実現できるか?
⑤講師側としても、オンデマンド方式の授業では受講者の理解度を確認しづらいのではないか?


懸案事項①、②については、回答を記入するフォームを記載したワークシートを準備し、一部穴埋め回答形式にしたり、回答するためのヒントを記載し、回答する難易度をできるだけ下げる。
懸案事項②、④、⑤については、授業毎に受講者の理解度を確認するために、オンデマンド方式の授業で取り組んでいただく演習の回答を完成させ、授業に対するコメントともに、レポートとして提出していただく。講師は受講者のレポートについてフィードバックし、気づきを与える。
懸案事項③、④については、講師は演習のサンプル回答を作成し、レポート提出期限後に提供することにより、受講者が自分の回答と比較して、理解度を高めていただく。

オンデマンド方式の授業で試験をどのように実施すれば良いか?についてもひとつの検討事項になりました。試験日時を予め決めて、オンラインで試験を実施するという選択もありましたが、レポート形式を選択しました。  学んだことのうち、今後どういうシーンで、どのように活用したいか論述してもらうことにしました。


1年目の講座では様々な懸案事項があったものの完走できたことは前述のブログでも記しましたが、2年目は環境の変化に適応し、オンデマンド方式で講座を提供できたという実績を残せました。
ありがたいことに、大学側から2021年度の講座提供についての依頼をいただきました。実施形態は今後の社会情勢により流動的ではありますが、2年間の講座の運営で培った実績をベースに、より質が高く、受講生に響く講座の運営を目指すとともに、他の大学でもソーシャルPM講座を提供できる機会を見出していきたいと考えています。

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