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ソーシャルPM手法 大学生への普及活動へのチャレンジ(前編)

ソーシャルPM研究会の石塚です。

ソーシャルPM研究会が都内の私立大学経営学部に寄付講座として、2019年秋季、2020年秋季の2年連続で実施している「ソーシャルPM講座」について、2回に分けてご報告させていただくこととしました。
今回は前編の投稿になります。

ソーシャルPM研究会では、ソーシャル・プロジェクトマネジメント手法(以降「ソーシャルPM手法」と記します)を開発しています。
(詳細内容については、2020/8/17の『ソーシャル・プロジェクトマネジメント手法とは』をご一読お願いします。)
2016年からはソーシャルPM手法の普及のため、社会課題の解決に関心があるプロジェクトマネジャー、非営利団体の職員、プロボノなど社会人対象に毎年3〜6回のワークショップを提供し、延べ300人以上の方に受講いただいています。

ソーシャルPM研究会が属しているPMIは「プロジェクトマネジメント」をビジネスの世界だけではなく、学生や学生を支援する非営利団体にも学んでいただくための活動や教材を提供しています。 我々ソーシャルPM研究会は開発した手法を若くエネルギッシュな学生にも学んでもらい、ソーシャルの場で活用していただきたいという想いがありました。 ソーシャルPM講座の開設について大学側に提案したところ、ソーシャル課題解決の取り組みに関心を持つ大学側のニーズとマッチしたため、大学生向けの寄付講座を行うことになりました。

大学生向けのソーシャルPM講座は1コマ90分x15回、毎週金曜日の5限に提供しており、6つのソーシャルPM手法を各テーマ2回の講義と演習で構成し、各年10人以上の大学生に受講いただいています。

初年度の寄付講座が正式に決定したのち、講師4人を中心に企画を開始し、シラバスを検討し始めた時点で、様々な懸案事項が湧いてきました。以下に代表的なものをご紹介します。

1.どのようなバックグランドの学生が受講してくれるのか? ボランティア経験はあるか?
2.社会経験がある方々に学んでいただいたソーシャルPM手法が、社会経験の機会が少なく、プロジェクト・マネジメントの学習経験がない学生の皆様に興味を持ってもらえるか、理解してもらえるか?
3.手法あたり3時間〜7時間で提供してきた講座を1コマ90分x2回で提供できるか?
4.講義の内容の理解を含めるため、演習は4〜6人のチームでのディスカッションとなるが、学生間で活発な意見交換ができるか?
5.学習内容の理解度をどのようにフィードバックしてもらえば良いか?

初年度は2年生以上の学生10名ほどが受講し、第1回のオリエンテーションでは講座の内容を説明すると共に受講者に自己紹介、講座の選択理由などを確認しました。 1、2名を除いてはボランティア経験がなく、プロジェクト・マネジメントについても学んだ人はいませんでした。
そのような学生にもわかりやすい講義資料、興味が湧きやすい演習テーマを準備し、臨みました。講義では丁寧な説明を心がけましたが、学生にとっては理解しづらい内容も少なからずあったと思います。しかし演習では上級生がリードし、和気藹々とした中で真剣に討議が行われ、既存の学部の授業とは異なる講座の内容をエンジョイしていただけたようです。


討議内容の発表、振り返り、気づきについて、アドバイスすることで、学習内容の理解度を高めることができ、社会課題への取り組みに多少は興味を持っていただけたのではないかと認識しています。受講後のアンケートでもそのようなフィードバックをいただく事ができました。

イメージ:演習に取り組む学生

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大学生にソーシャルPM講座を提供する初めての機会であったため、講師陣も試行錯誤の繰り返しであり、大きなチャレンジでした。
各回の講義後には、担当講師間で情報交換し、改善を図りながら完走でき、私たちに通っても貴重な経験ができたばかりでなく、以下の通り多くの学びを得ることができました。

・ソーシャルPM手法は大学生にも興味を持っていただける内容であることを認識できた。
・大学生に学んでいただくにあたり、さらに理解しやすく、馴染みやすい講義内容、説明、演習内容にする必要がある。
・他の大学でもソーシャルPM講座を実施してみたい。そのためには、ソーシャルPM手法の講師を担当できるメンバーをさらに増やしていく必要がある。
・受講者に社会課題の解決に関わってみたい、その際にソーシャルPM手法を活用してみたいという刺激を与えることができた。

写真:ソーシャル・デザイン思考のグループワークの成果物

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そしてコロナ禍の今年度は昨年度とは異なる準備、実施内容で取り組んできました。そちらについては、別途後編としてご報告させていただきます。
                             (以上)


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