#54 ユーザーインタビューじゃ解決できない仮説の話
ユーザーインタビューの役割
はち: さて、前にユーザーインタビューの話をしたことがあるかもしれませんが、今回はその話を再び取り上げたいと思います。さらにユーザーインタビューが全てではないという点についても話したいんです。ユーザーインタビューだけでは解決できない仮説があるんですよね。
ジョン: そうですね。
はち: ユーザーインタビューって、ユーザーが想像できるレベルのことじゃないと解決の糸口にならないなと最近感じています。例えば、すでに定着している商習慣に対してのマイナーチェンジ(ちょっと良くするetc)なら、ユーザーも想像しやすいので、インタビューすれば「いいね」と言われるでしょう。でも、あまりにも突拍子もないアイデアだと、むしろ反対されることが多いんですよ。
非連続なアイデアの検証
はち: 例えば、2002年や2003年にガラケーを持っている人に「こんなプロダクトどうですか?」とiPhoneのユーザーインタビューをしていたら、「ボタンがない」「折りたためない」「ストラップはどこに付けるの?」といった反対意見が出ていたでしょう。つまり、非連続なアイデアを検証する方法は別だなと感じました。
ジョン: なるほど。
はち: 半歩先のアイデアならユーザーが想像できるので肯定されるけど、一歩先だと商習慣を変える必要があるため、反発されることが多い。例えばMDからiPodへの移行や、CD-ROMからMDへの移行も同じですよね。二歩先のアイデアだと、もう分からないという状況です。
検証手段の選択
はち: 自分が解決したい仮説がどのレベルか、半歩先なのか一歩先なのか二歩先なのかによって、検証手段を変える必要があると気付きました。半歩先ならユーザーインタビューで十分ですが、一歩先や二歩先の場合は、隣の市場での成功事例を探したり、海外の市場を見に行くといった方法が必要になります。
ジョン: 類似市場を分析するのは納得できますね。でも、その類似市場の見つけ方についてはどう考えていますか?どんな切り口で探しに行きますか?
類似市場の見つけ方
はち: 仕組みとドメインを分けて考えることが大事です。例えば、僕が入社する前の自社動画メディアに「待てば無料」というシステムを採用していました。これはウェブトゥーン(デジタルコミック)の仕組みを参考にしたものです。ドメインに関係なく、仕組みそのものを参考にしているわけです。
ジョン: なるほど。それは仕組みを見ているということですね。
はち: そうです。例えば、ディアゴスティーニの「週刊宇宙戦艦ヤマトを作る」も同じで、セットのものを単体で売るマイクロペイメントの一例です。こういった仕組みを参考にすることで、新しいアイデアを得ることができます。
結論
はち: 結局、半歩先の改善ならユーザーインタビューで十分ですが、一歩先や二歩先の大きなステップアップを目指す場合は、ユーザーインタビューだけでは不十分です。類似市場を分析するなど、別の観点からアプローチする必要があります。ユーザーの声を聞きすぎて非連続な成長ができないというのは問題ですからね。
ジョン: そうですね。ユーザーが必ずしも答えを持っているわけではないので、違う視点からのアプローチも大事ですね。
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MC
はち (PIVOT株式会社 プロダクトマネージャー)
https://twitter.com/PassionateHachiジョン (とある上場スタートアップ プロダクトマネージャー)
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