#69 PMと休暇



ジョンさんのお休み予定

はち:ジョンさんの申し込み企画「PMと休暇について」。今ちょうど収録しているタイミングがゴールデンウィークの谷間だから、それも関係あるかな?あとはライフイベントとかも関係してますかね?

ジョン:そうですね。プライベートな話ですけど、私が育休に入ろうとしているので、そういったところも含めてお話ししたいなと思いました。

はち:うん、どのくらい取るんですか?

ジョン:育休は二ヶ月取ります。

はち:おお。じゃあ僕はちょっとそんな長期休みを取ったことがないので、1週間が一番長いかも?

ジョン:ああ、でもそうですね。普通って言ったらあれですけど、あんまりそういう育休とか産休とかがなかったら、だいたい旅行でも1週間くらいがマックスになることが多いですよね。基本的には。

はち:そうそう、で、今日なんかそういう数日とかの短い休暇だったら、まあちょっとお休みしますけど、多分、数週間とか数ヶ月とかっていう単位で休むときに、何を気をつけたらいいかなみたいなのを最近考えたりしてたので、まあそういうお話をしたいなと思いました。

はち:ちなみに、休暇は今から何日後にスタートする予定なんですか?

ジョン:予定だと今から一ヶ月後です。

はち:おお、じゃあ一ヶ月前の段階でどのくらい準備をしておいているかっていうリアルな話もわかるわけですね。

休む前の準備

はい、じゃあ何からまず何から準備したんですか?

ジョン:ああ、まず何から言うかというと、まず自分のプロダクトをどうしようか考えました。いろんな選択肢があるじゃないですか。もう止めるとか、本当にこれを機に誰かに渡して自分は違うものに行くとか。

はち:完全に引き継いでね。

ジョン:そうそう。あとは、実際ちょっとこれは拡大フェーズに入ってきて、一人じゃ辛くなったので、単純に人を増やしてもらって、自分が休む間に助走をつけてもらいながら、とか。そういうところにいろいろあったんですけど、どうしようかなっていうところと、ロードマップの見直しみたいなところからやりました。

はち:うん、結局じゃあ二ヶ月経ったら同じプロダクトに戻る前提で準備しているということですか?

ジョン:はい、そうですね。前提として、自分がいない間は、同じ部署の人に一応窓口として立ってもらう予定です。その人にはPM(プロダクトマネージャー)として立ってもらいますが、基本的に問い合わせの窓口だけを担当し、PM的な仕事はあまりしません。何かあったら、私が復帰した時に「こういうことがあなたが休んでいる間にありました」と報告してもらうための代理店長のような感じです。

はち:じゃあ実質その間にその二ヶ月間って何か作ってるんですか?

ジョン:そうですね。そこがちょっと今日お話したいと思っていたところです。自分がいなくてもできるところを、この一二ヶ月くらい考えていました。それでプロダクトのロードマップも一部変更させてもらいました。

自分がいなくても進められる部分もあります。例えば、ある程度の機能なら、要件定義まで終えてしまえば、あとは開発をお願いするだけで進められると思います。

でも、別のプロダクトや別の部署の協力が必要なものは、お願いしてもすぐにやってくれるわけではなく、順番待ちになることもあります。そういう場合、早めに頭出しだけしておいて、自分が休んでいる間に準備を進めてもらいます。復帰する頃には開発着手ができる状態にしておくという感じですね。

要は、渡せる仕事を作ることをこの一二ヶ月で意識してやってきました。

プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーの分離

はち:そのなんか開発が進んでいる間のプロジェクトマネジメントは誰がいるんですか?

ジョン:そこはチームの中に、いわゆる開発PMみたいな役割の人がいますので、その人に基本的にはお任せしています。どうしても意思決定が難しいところがあれば、私に連絡を取れるようにしるので、連絡してもらってもいいですし、ある程度はその人に判断してもらっても構わないと思っています。

それがポイントとしてお話したいところなんですけど、プロダクトロードマップを書く時に、プロダクトの世界観を改めて明確にして、カスタマージャーニーなども作り直しました。それをプロジェクトメンバーと共有しました。要は、自分の頭の中で考えていることをプロジェクトのメンバーに伝えたということですね。

判断するときにどうしても困ったら連絡してもらってもいいですし、その人が判断できるように、必要な情報をある程度共有することにも力を入れました。これがこの一ヶ月でやってきたことです。

はち:うん、なるほどですね。今の話に関連して最近思うことなんですが、プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーは分離してもいいんじゃないかと感じているんです。いわゆる開発プロジェクトマネージャーは、別にいてもいいなと。

僕も実際には休む予定はないんですけど、以前、急に喉の問題で入院したことがありましたよね。でも、その時も特に引き継ぎをしなくても対応できたんです。それは、目先の1〜3ヶ月ぐらいは僕がいなくても業務が進むような状態ができていたから

うちの場合も、ジョンさんが話していた開発PMのように、デザイナー兼プロジェクトマネージャーがいます。その方はプロダクトマネージャー志望なんですけど、デザイナーの役割に加えて、今はプロジェクトマネージャーとしての役割も伸ばしているところなんです。そういうポジションの人がいるのは強みだなと感じています。

そうすると、足元のプロジェクトは順調に進み、自分は中長期的なロードマップやその先の計画を考えることができます。逆に、自分が止まったとしても中長期的なロードマップの部分だけが止まるだけで、日々の業務は進んでいくわけです。

これがジョンさんの話していた開発PMと、ジョンさんが取り組んでいる中長期的なロードマップの棲み分けができると、ワークライフバランスが保たれ、休暇を取っても業務が回る仕組みができるのではないかと思いました。

ジョン:そうですね。やっぱり怪我とかで突如休まないといけないこともあるでしょうし、極論、大事故にあって仕事をまともに続けられないようなこともあり得るかもしれません。今回は育休というイベントがあったので、改めてしっかり準備して、時間をかけてみっちりやってきました。でも、普段から渡せる人を作っておくこと、渡せる仕事を作っておくこと、そしてプロダクトの世界観やロードマップを明確にしておけば、自分がいなくなってもある程度回るというのを今回感じました。

さっき、はちさんがおっしゃっていたように、育休というイベントで実践しましたが、計画的に休むことがわかっている場合を除いても、普段からこのような準備をしておいたほうがいいなと思いました。

はち:うんいい話、うまくまとまった。

ジョン:あ、これはね、4月末にはもう完璧に終わらせとく予定だったんですけど、今7割ぐらいあまあ7割は言い過ぎか。8割ぐらいですね。

はち:まあね、8割でなんとかなるんじゃないですか。

ジョン:まあ、なんとかはなる。

はち:じゃあ、ちょっとこの番組の育休中の代打も考えなきゃいけないですね。

ジョン:ああ、普通にやろうと思ってたけど。

はち:そうなんだ。じゃあいいや。はい、じゃあこの番組はあの休みなしということで、鬼畜な鬼畜なスタイルで。まあ確かにね、ちょっと日常から離れたから見えるものもあるかもしれないしね。

ジョン:うん、まだどうなるかわかんないけど、楽しみにしています。

関連情報

「プロダクトマネージャーの日常」は、シード期と上場企業のプロダクトマネージャー2人が普段考えていることやプロダクトマネージャーのお仕事についてお話しするPodcast番組です!Podcastは毎週火曜日朝8時に配信しています。

キャスト

  • MC

    • はち (PIVOT株式会社 プロダクトマネージャー)
      https://twitter.com/PassionateHachi

    • ジョン (とある上場スタートアップ プロダクトマネージャー)
      https://twitter.com/john_tk120

  • スタッフ

    • 「PMのネタ帳」コミュニティーメンバー

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