#26 「ステークホルダーとの向き合い方」

今回は、「ステークホルダーとの向き合い方」というテーマで、前回に続き、ステークホルダーマネジメントの話をしています!


やりづらいステークホルダーは?

はち :さて、前回はちゃぶ台返しの話からステークホルダーマネジメント大事だよねっていうお話になりましたね。

ジョン:うん。

はち :各方面から鬼のような反響が来ているであろうということで、今回はその続きの話。
ジョンさんのところは、どんなステークホルダーがどのくらいいますか?

ジョン:今関わっている事業はIoTなので、もちろん物を扱ってるし、かつクラウドサービスなのでウェブも扱ってるんですよね。なので、調達する人だったり、物の品質管理をする人だったり。ウェブサービスの開発する人、テストする人、それもモバイルだったり、ブラウザだったり。
あと商流が結構複雑で、直販と代理店があり、EC(オンラインストア)もありますし。パッと数字で出てこないけど、少なくとも十以上の部署と普通にしょっちゅうやり取りしてますね。

はち :素晴らしいですね。その中で一番苦労するの相手はどこですか?個人ではなくて、PMとして向き合う中で一番苦労する相手。

ジョン:なるほど…ちょっと社内の人には聞かれたくないですねw

はち :個人じゃないからw
特定のあの人とやりづらいという話でなくて大丈夫です。

ジョン:そうですねえ…プロダクトのフェーズにもよると思うんですけど、難しいと思うのは…営業系かな…

はち :割と営業畑出身のジョンさんでも難しいんですか?

ジョン:そうですねえ。プロダクトマネージャーと営業って見てる時間軸が違うことが多いと思うんですよね。

はち :うん。

見ている時間軸の違い

ジョン:営業さんは今、目の前のお客さんに対してベストな選択肢を提供したいって常々思ってると思うんですけど、プロダクトマネージャーはその営業さんが今、目の前にいる人のその先であったり、その横であったりも全部見て日々仕事してると思うので、そこの目線合わせが結構難しいかなっていうのは感じますね。

はち :それは「〇〇ができればあのお客さん取れるのに、なんでやってくれないんだよ」みたいな話ですか?

ジョン:一例で言うとそんな感じですね。

はち :toBビジネスあるあるですね。

ジョン:うん。みんなありそう。

はち :そういう時ジョンさんはどうしてるんですか?この問題解決に自信はありますか?

ジョン:自分の選択肢に自信を持ってやってますね。基本的には定量的な判断であったり、プロダクトのミッションや何をしたいのかと擦り合わせて進めています。
あと、営業さんと話す時は自分は夢ベースではなく、現実ベースで話をすることが多いですね。

はち :まさにそうだなと思いました。関わるお客さんも広く見ればステークホルダーだけど、今のフォーカスはあえて「社内の各部署」に置いたとした場合、そこでも見てる目線が違うじゃないですか。
一年を見てる、一年というか直近の一ヶ月の売上目標達成を見てるのか?三年後、五年後のプロダクトビジョンを見てるのか?
そこでよくありがちなのが「営業さんやCSが直近を見てるのは分かる。でもPMがどこ見てるかを案外みんな分かってない。分かってないというか、PMがみんなに伝えきれてない問題」があると思います。
伝えた気になっているんだけど、あんまり伝わってないことが多いと思っていて。
自戒の念も込めて、思いのほかPMがどこを見て何をやってるかって伝わってないから、言語化を常にしていかなきゃいけないなって思うんですよね。

ジョン:うん。たしかに。

PMが何を見ているのか伝えられていない問題

はち :例えば会社とかPMとかは大体いつもビジョンとセットで考えているから、どういうところを向いて、どういうために今このプロダクト作ってますって語れるじゃないですか。でも「営業の人が、自社のPMがどう考えてるか語れるか」というと恐らく語れること少ないですよね。

ジョン:うん、それはそうだと思います。

はち :もっと言うと、所属企業がプロダクト企業だったら、PMは基本的にCEOとイコールじゃないですか。だとすると、CEOのメッセージが伝わっていないことって結構あるなとも思います。
なのでステークホルダーと話してる時に、時間軸はどこを見てるのか、最終的にどこを目指しているのかは常に口酸っぱく「5回は言ったよ、これ」みたいな感じでもいいから、言い続けなきゃいけないんだろうなっていうのをこのテーマを通じて感じますよね。

ジョン:うん。なるほど。すごい優しいですね。

はち :優しいというか、時には戦うかもしれないけれど、人を変えようとしても無理だから自分が変わるっていう発想ですね。

ジョン:口酸っぱく同じことを言うということはそうですね。その時に「これ前も言いましたけど」とはあんまり言わないようにはしていますね。同じこと言ってても本当に伝わってないことも多いから。でも、根気強く言い続けるのは日常よく発生するケースだと思う。

はち :特にここがズレちゃうと全体の方向性がズレちゃうんですよね。例えば、ツールの操作方法とかは「〇〇に書いてあるから見ておいて」でもいいと思うんですよ。
でも、ビジョンは語り続けないとステークホルダーマネジメントできないなと思いますね。

PMから発信することの大事さ

ジョン:僕はPMは基本的に一人では仕事ができない職種だと思っています。作ったものを売ってきてくれる人がいて、欲しいものを作ってくれる人がいて、それを運用したりサポートする人がいて。
その中で、PMは色々なステークホルダーに気持ち良くそれぞれの自分の仕事に集中してもらうっていうのがPMの仕事の一つだと思います。そういった意味でPMが何を考えてるのかを考えさせないで済むようにPMから発信し続けることは、PMのやるべき仕事の一つではないかなとは思いますね。

はち :その方法が一対一で説明することもあれば、例えばよくあるのが全社キックオフみたいなタイミングで喋るとかもそうだし、〇〇を見たら大体現状考えていることが残ってるみたいな形もあり。手段はどれでもいいんですけど、多方面からアプローチしていかないとステークホルダーには伝わらないなって思っています。

はち :ちょっと話を戻して、ステークホルダー=お客さんまで広げた時に、たまに「なんだこのクソみたいな新機能」みたいなのあるじゃないですか。クソみたいな機能って思わせることは良くないですけど、この新機能の前提にはこういう背景があり、今このプロダクトはこういう世界観を向いてるからこの新機能があるって考えると便利なんだよな〜とPMは思ってるじゃないですか。
それは時にエゴかもしれないけど、背景や意図を伝える努力はした方がいいなと思います。でないと、考えていることが伝わった上でクソ機能って言っているのか、伝わっていない上でクソ機能って言っているのか分からないんで。
伝える努力はPRTimesに書くのか、noteに書くのか、直接お客さんと会話するかは分からないけど、ステークホルダーにちゃんと伝える必要があるんだろうなとは思いますね。

ジョン:すごいハチさんっぽいですね。夢を語るというか、パッショネイトなところが。

はち :それが仕事だと思っているからw個人的に思うのはそこができないとPMも工程管理の人になってAIに置き換わるんじゃないですかね。
人の感情を動かさないと我々もAIに置き換わってしまいますという気がしています。

ジョン:たしかに、それは面白い。

はち :なので、ステークホルダーへの説明は疲れてもやろうっていう話ですね。

ジョン:そうですね。疲れることもあると思うけど、大事な仕事の一つだと思ってやっていくべきですね。

はち :じゃあ皆さんそういうことで、ステークホルダーに改めてもう一回ビジョンを説明していただければと思います!

関連情報

「プロダクトマネージャーの日常」は、シード期と上場企業のプロダクトマネージャー2人が普段考えていることやプロダクトマネージャーのお仕事についてお話しするPodcast番組です!Podcastは毎週火曜日朝8時に配信しています。

Podcastと連動したSlackコミュニティー「PMのネタ帳」はどなたでも参加歓迎です!参加はこちらからどうぞ!

キャスト

  • MC

    • はち (PIVOT株式会社 プロダクトマネージャー)
      https://twitter.com/PassionateHachi

    • ジョン (とある上場スタートアップ プロダクトマネージャー)
      https://twitter.com/john_tk120

  • スタッフ

    • 「PMのネタ帳」コミュニティーメンバー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?