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事務作業 (56)

事務作業をする度に、胸の奥から燃えたぎるぬるめのマグマみたいなものがふつふつとと沸き上がり、体中が震える。やがてそのぬるめのマグマは頭のてっぺんまで登っていき、思考回路を完全にシャットダウンして、心すら覆ってしまう。ただPCの前で指を動かして、文字や数字を打ち込む人形が出来上がるのだ。やがてぬるめのマグマはどんどん冷えて、徐々に体力を奪っていく。額の肉の文字がゆっくりと消えていくのだ。
つまり、何が言いたいかというと、筆者は現在、事務作業が終わり、大変に疲れているということだ。

いつからこんなに事務が苦手になったのだろう。いや、考えてみれば子供の頃から算数は苦手だし、黒板をノートに写すのも得意ではなかった。算数が苦手なら国語はどうだったのかと聞かれると、何故かそこそこ得意だった記憶がある。漢字以外は大して勉強しなくてもどうにかなったような。ギャグ漫画をよく読んでいたからだろうか。

話を戻すが、何故こんなに苦手なのか。事務作業によるあまりの疲労度に驚いている。今、何もしたくない。歯も磨かなきゃいけないし、風呂も入らなきゃいけない。人間社会で生きるには、人として最低限の何かを毎日やっていかなくてはならないのだ。いや、よく考えたら贅沢な話だ。

もう限界である。今日ばかりは煮込む気力も湧かない。恐らく今夜は貸借対照表とか現金出納帳とか総勘定元帳とか仕訳帳とか、そんな帳簿類に囲まれてカバディをする夢をみるだろう。

カバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディカバディ

因みに談吉さんは何故か簿記検定準二級を持っていたが、能力も含め証明するものは現在何も持ち合わせていない。あと電卓検定と英検と秘書検定なるものも取った気がするが、何一つ証明できない。全て過去に置いてきたのだ。

さて、そろそろ床につこうと思うが、最後に力を振り絞り一つだけ報告させてもらおう。キューピーマヨネーズのマグネット、5体揃ったよ。

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この連載は±3落語会事務局のウェブサイトにて掲載されているものです。 https://pm3rakugo.jimdofree.com