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本当の天使 (112)

天使の羽、小さい。あんなに小さな翼で空を飛べるわけがない。よほど体が軽いのだろうか。天使といってもピンキリで、子供型もあれば成人型もあるが、そのどちらかだとしても翼を動かす筋肉が足りないように感じる。その種の専門家ではないので詳しくはわからないが、独学で調べた(Googleで検索した)ところ、体重が60Kgだと仮定して胸の筋肉が2mあり片翼の長さが17メートル、さらにそれらを動かす心臓と消費する酸素を取り込めれば、理論上飛べるのだそうだ。これらを聞いて”いや無理じゃん”と思うか、”理論上可能って夢があるね”と思うか、両者に分かれるだろうが、例え人間をそのように改造して飛べるようにしたところで、普段の生活が不便になるのではないだろうか。片翼17メートルの翼では、マンションや一軒家には住めないし、コンビニにも入れない。何処かのお金持ちがスポンサーになったとしても、余程広い庭がないと窮屈で仕方ない。初めのうちは貢ぎ物や何かで大人しくしているかもしれないが、そのうち広い海辺や山で暮らすようになり、哀しきモンスターが出来上がる。何処か遠い、あまり科学や文明が発展していないような島で、集落の仲間外れで親のいない少女か少年と友達になり、改造鳥人間として初めて生きる喜びを知る。ある日村に強盗か何かの悪い集団が訪れ、その子のピンチに駆け付け助けたものの、遅れてやってきた警察に撃たれてしまい命を落とす。最後にポロリ涙をこぼし、少年か少女かに”一緒に遊んでくれてありがとう、楽しかったよ、これをあげる”と言ってメモ紙を渡す。そこにはある場所が書いてあり、少年か少女かがそこに行ってみると、金持ちのスポンサーからもらった貢ぎ物、お金や何かがたくさんあって、少年か少女が泣きながら”ありがとう”と言う。この子が後に改造人間を作る人達を取り締まる側につくと同時に、小さな島を買い取って、既に作られ世界に散らばった改造人間達が幸せに暮らせる楽園を島に築く。島の中心にあの改造鳥人間の石像を作り、みんな仲良く暮らしたという。めでたしめでたし。

大谷翔平選手ご結婚おめでとうございます。

この連載は±3落語会事務局のウェブサイトにて掲載されているものです。 https://pm3rakugo.jimdofree.com