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茶バト (2)

小学生時代〜大学生時代にかけてよくゲームをしたものだ。
特にプレイステーションにはお世話になった。

入門と同時にゲームなんてやる暇は無い為、ゲーム離れをした。
(たまに、ツムツムとアングリーバードはやっていた)

スマホゲームは別として、いわゆるハードがあるゲームは卒業。

しかし、年に一度は必ずやってくるゲーム熱。
無駄にYouTubeとかでゲーム実況を見まくったり、ゲームの話をする事で欲求を抑えていた時期もあった。

ある時、新潟の落語会の楽屋で談吉兄さんに
「ニンテンドースイッチかプレステ4を買おうか迷っています」と一番太鼓が鳴り響く中、膝を突き合わせ真剣に相談した。

少し間があった後、兄さんが
「プレステ4だね」と。乾いた空気の中に響いた声を今でも思い出す。

「お先に勉強させていただきます」と挨拶すると、高座へ向かう私の背中に向かって
「プレステ4だね」と声を掛け送り出してくれた。

プレステ4を買うと胸に誓い一席終えると私の熱は冷めていた。

よく考えたら、やりたいゲームがない。

とにかくゲームがやりたいタイプではなく、やりたいソフトがあるからゲームをするタイプだと。齢3 4の時に気が付いたのだ。

音楽で言うならフェスに行くタイプではなく、演者単体のライブに行くタイプ。
餃子や刺身は何もつけないで食べるタイプ。
食後に風呂に入るタイプ。

そんなこんなで私のゲーム熱はあっさりと新潟の冬空に吸い込まれていったわけだが、
2020年4月あるゲームの出現により、10年間の脱ゲームにピリオドを打つ時が来た。

「ファイナルファンタジー7」のリメイクの発売。(以下F F)

私と同世代なら当時のF F7をやられた方も多いはず。
3枚組のディスク。

そのリメイク第一弾。
ミッドガルを出るところまで。

久々に夜中、ゲーム機のスイッチをオンする日が始まった。まるで中学時代に戻ったようなウキウキとワクワク。

しかし

長い長すぎる。ムービーが。
ムービーを観る為に買ったのではない、、

でも理解はできる。映像のクオリティが上がったからF Fに限らず、最近のゲームはこれでもかとムービーをぶち込んでくる。全体の5割がムービーではないか!
ムービーの中にゲームがあるのかゲームの中にムービーがあるのか。

スキップする事も可能なのだが、そうするとストーリーが分からなくなるので結局観ちゃう。まんまと制作側の術中にはまるタイプ。

そして、何より私がついてゆけないのがバトルシステムの進化。

私は味方が横並びで、
ゲージが溜まると

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を選ぶバトルタイプが好きだった。

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少し、迷うとポーズをして麦茶を飲みながら戦略を考えたり。バトルに集中できるシステムが好きだった。

今はゲージが溜まるシステムこそ同じだが

バトル中は味方は縦横無尽に動き、敵も上から下から右から左から斜めから容赦なく攻撃をしてくる。

要はアクションRPGに近くなっている。

麦茶なんて飲んでいる暇はない。
熱い茶を飲もうもんならこぼしてヤケドする。

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本当の戦いとはこのようなものだ。
熱かろうが冷たかろうが茶なんてのませねーぞ。と突きつけられている気がした。

しかも、ポーズに逃げても F F7リメイクの場合はポーズ中にもスローでバトルが進んでいく。

完全に止まる事は許されないのである。

このバトルシステムのお陰で敵にタコ殴りにされフルボッコにされた。
ここでもまんまと術中にはまるのである。

どうにかこうにかクリアしてみたものの
実は私はクラッシックモード(イージーモード)でプレイしていたのだ。

ノーマルモードには手を出せない
ハードモードと考えた日にゃ三日三晩震えがとまらなくなった。

一度キリのプレイで終わった。

ゲーム自体は面白かったし、早く続編が出て欲しいぐらいだ。しかし更なるバトルシステムの進化が訪れると私は発狂するだろう。

何故、私がこんな事を書いたかというと
最近、オクトパストラベラーというR P Gが気になったからだ。まだプレイはしていない。何故ならニンテンドーSwitchのソフトだったからである。

これが私が求めているバトルシステム。
茶が飲めるバトルシステム、
いわゆる「茶バト」らしいのである。

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この作品が人気と聞いたので、私と同じような感覚も多いのだろう。

という、今回のお話。

この連載は±3落語会事務局のウェブサイトにて掲載されているものです。 https://pm3rakugo.jimdofree.com