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桜の散るころには(116)
自分のことは自分が一番わかってるんだよ。嘘である。この台詞を言っている時は往々にして、自分はおろか周りも見えていないものである。推測だが唯一の例外は寿命に関してではないだろうか。病室のベッドで桜の木を眺め、「あの桜の花が散るころには生きていないだろう」などと言う。これは自分の寿命を悟っているからで、この時ばかりは周りがいくら言ってもしょうがない。専門家である医者だけが非常に客観的に判断しているのは間違いない。つまり心身が元気な状態の場合、自分で自分のことを理解するのは至難の業である。よほど普段から客観的に自己を見つめて分析をしていなくては出来るものではない。
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この連載は±3落語会事務局のウェブサイトにて掲載されているものです。 https://pm3rakugo.jimdofree.com