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72歳の化け物 (22)

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先日、矢沢永吉さんのコンサートに行ってきた。(ここ数年は開催されば毎回行ってる)

日本武道館。
オリンピックで日本武道館が改装されたりコロナ禍の影響もあり実に4年ぶりとなる日本武道館での開催。

ご存知の方も多いが私は音楽好きである。

毎年必ず、数回はライブやコンサートに足を運ぶ。しかしコロナ禍を経てのライブは今回が初めてであった。

矢沢永吉さんのコンサートは客席に思い思いの矢沢永吉さんがたくさんいるのである。
その客席にいるたくさんの矢沢永吉さんが、開場中にあちこちで「えーちゃん」コールを行うのである。

その「えーちゃん」コールが、ご本人登場の時点で日本武道館が壊れるかぐらいの、1万2千人の「えーちゃん」コールになるのである。

曲によってはE.YAZAWAタオルを皆で頭上に投げるのだが

今回は「えーちゃんコール」「タオル投げ」
は禁止。マスク着用ルールとなった。

今までとはまるで違う状況。

矢沢さんご本人も戸惑ったに違いないが、72歳のパフォーマンスは化け物そのもの。

特に今回コールがないので、尚更、矢沢さんの声がよく聞こえ、改めてその声量と歌唱力に度肝を抜かれた。
本当に素晴らしくてカッコ良い。


大体、ここまでは皆さん想像きると思うし、是非、一度は観に行って頂きたい。

私がもう一つ伝えたいのは
矢沢永吉さんのMCなのである。

ライブ中に何度か矢沢さんがMCを挟むのだがこれが起承転結ではなく

起承転転。

なのである。

正直、私には漫談のように聞こえるぐらい面白いのである。

練り込まれたMCでなく、矢沢さんが伝えたいことがその場で言葉になり、全く意味不明の「?」になる場合があるのである。

私にはそれが面白くて堪らないのだ。

きっと矢沢さんの中で伝えたい事の答えはあるのだろうが

「まっ忘れたからいいや、次の曲いきますヨロシク」

「なんだっけ??ほら、あれ。まーいいや」

割と、私は爆笑している。
これぞスター。

「あれ」とかでMCを進めていくので聞いている我々は謎解きのような感覚に陥る。

しかしそれがまた素敵なのである。
何も狙ってないから凄く笑えるのである。

自然体の矢沢永吉さんがMCの時にチラホラ見えるし、このギャップが矢沢永吉さんのスター性をより表していると私は思う。

そんなマクラを今作っているのだが、改めて矢沢永吉さんを大好きになった。

ほんとにカッコよくて素敵で、実はかなりチャーミングな大スター。

来年は「えーちゃん」コールが出来ますように。


この連載は±3落語会事務局のウェブサイトにて掲載されているものです。 https://pm3rakugo.jimdofree.com