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プラスフードとは #3 フードバンクとの違いって?

一般にフードロス削減の仕組みとして知名度があるのはフードバンクだと思います。

フードバンクは余剰食材を生活に困った方々に分配するんだからフードロスがあるなら全部フードバンクに寄付されれば、この社会問題は解決!!・・・と思う方々もいらっしゃるかと思います。

しかし、実際にフードバンクさんに話を聞きに行ってみると、初めての話ばかりでビックリする事が多いのです。

1:受け入れ食材は基本的に日持ちのするもの

これは、缶詰や乾麺などといった賞味期限が1か月以上あるようなものが望ましいという事です。寄付された食材は倉庫に保管され再分配されるまでやその配送日数等を考えるとある程度の期限の長さが条件となります。

つまりフードバンクさんでは賞味期限が当日まで等の食材は不向きです。

2:分配できる相手が限定されている

フードバンクさんがお渡しできる相手というのは基本的に生活に困っている方や、NPO団体等の子ども食堂といった施設となっております。

では、生活保護受給者は対象か? 答えはNOです。生活保護者は食べる物には困らない水準の保護があるのだからフードバンクとしては支給対象ではないのです。

生活保護を受けれないけど日々食べるのに困っている、そういった方々に配るのがフードバンクとなるとかなり人数が限定されてしまうのがおわかりかと思います。ある日一気に10トンの食材を寄贈されても、配り切れずに余してしまう事がある・・・

この話をフードバンクさんから聞いた時はある意味衝撃的でした。

3:最終廃棄場所としてコストが使われる事がある

何か大規模なイベントがあったとします。それを運用できうる食材準備を業者さんはします。終わった時にそれが余ってた場合どうなるのか・・・

イベント主催は出店業者さんに期間途中で欠品しないぐらい十分な量を準備しろと言います。事後は廃棄するかは業者さん自身だから自分達は廃棄していないと言います。

出店業者さんは期間中しっかり営業できる量を準備しますが予想に反して来客が少ないと余剰食材は出るには出ます。が、物によっては持ち帰って次の機会に使えるものがあります。持ち帰れないものは配送料をかけるよりはと配送センター内で無料で進呈するよ、等とします。それゆえ、自分達では廃棄している認識はありません。

食材配送センターは北海道や本州での物流拠点として日々業務を遂行されておりますが、こういった時の寄贈品は少なければ関係者さん達で分けあう事が出来ます。しかし○トンなどの量となるとギブアップしてフードバンクに寄贈されるケースがあります。だからここでも食材廃棄は無いという事になります。

役所公認のフードバンクさんはどんなに格安でも法律上「買取」が出来ません。常に無料での寄贈となります。(無認可の自称フードバンクは買取可能です)こういったイベントでの物流拠点から大量の食材があった場合、それを取りに行く人件費、配送のためのガソリン代などは全てフードバンク持ちです。しかしフードバンクは利益を出してはいけない団体です。職員さんはある意味ボランティアでこういった活動をして受け取りに走り回ります。

そして分配できる人数が限られていると、特にこういったイベント系食材は短めの期限のため1ヵ月でも配り切れずに期限切れになる事が・・・

その廃棄コストはフードバンクが負担。(つまり私達の税金です)

主催側も出店側も物流側も、誰もが自分達はフードロスしていないと主張されるのに、実際はこういった事があるという話をフードバンクさんから聞いた時は本当に衝撃でした。


如何でしょうか。フードバンクさんがフードロス削減の全てを解消できる存在でしょうか?

役所公認で活動するフードバンクさんは法律的に制約が色々あるようです。

であれば、民間企業のサービスでフードバンクさんとは別の守備範囲を担当する所があっても良いのではないでしょうか。

私達プラスフードでは、当日中や明日中など期限が短くてフードバンクさんが受け入れできない食材を、フードバンクさんがお渡しできない一般の市民ユーザーさんにお繋ぎする事でこの問題の解決を考えております。

そしてプラスフードのユーザーさんにはここまで深刻に考えなくても、気軽に利用してたら、いつの間にかこういった社会問題解決の手助けにもなっていた、というスタンスで良いと思います。

これがプラスフードの考える一つの解決策です。他にも色々な立場の人達が素敵なアイディアを実行しようとしています。それらどれが正しいとか間違っているとかではなく、それぞれの手法でそれぞれの守備範囲で少しずつ解決へと向かっていけたらいいなと思っております。

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