とうもろこしの食品ロス削減に関するモヤモヤ
プラスフードではこの夏の異常な暑さで先端不稔となり生育不良で市場に出荷出来なかったとうもろこしを1トンほどレスキューしました。
ちょうど、札幌市役所環境局の循環型社会推進課さんのプロジェクトにおいて、配布した加盟店さんには補助金支援が少し出るので農家さんも廃棄になるよりは少しはお金にして来年のタネ代を稼ぎたいという思惑としては合致しています。
他のnoteでの投稿でも書きましたが、私は食品ロス削減の問題を扱うにあたって「群盲、象を評す」には気を付けるようにしています。
今回感じたモヤモヤは・・・
食品ロスはよく重量等で表現されますが、要するにゴミの量を減らそうって話ですよね。
今回のとうもろこしは先端不稔でカットはされているものの他の部分は十分に食べられるのでリピーターの方々も増えて「かなり美味しい」と喜んではいます。
自分でも1回マッチングしてみて食べてみたのですが・・・
獲得する時は1袋に8本入った状態。
食べ終わった生ゴミとしては、剥いたサヤに食べ終わった芯が8本分。
獲得した時の1袋の中身としては体積的に70から80%!?という感じです。
半分以上がそのまま生ゴミです。
あれあれ?食品ロス削減を目指した筈なのに、訳ありとうもろこし食べて美味しかったね、良かったね、という気分だけなって実際は殆ど削減出来てないじゃないか。
群盲、象を評すとはこの事になっていやしないか?
ならばどう解決する?
では、どうすれば良かったのか
農家さん側がサヤ剥いて渡せばいい?
いや、それは廃棄が一般家庭から農家さんに移っただけ。
それに鮮度維持の問題からサヤはついたまま中身保護された状態でお渡しするのが望ましいです。
サヤや芯を何か他に活用できる事があればいいですよね?
今回のとうもろこしは加盟店さん等にもお声掛けして様々なメニューで活用していただきました。
その中でこちらでは、とうもろこし釜飯にキレイに乾燥させた芯を投入して一緒に炊き上げ。
こうする事で更に美味しさアップです。
芯は外して配膳となるので最終的には生ゴミとなりますがそれでもしっかり活用しての生ゴミであれば有意義だとは思います。
こちらの店主さんとはそういった話も非常に盛り上がり、この芯に関してはアウトドアでの火起こしにおける焚き付けとしても使える筈だとおっしゃっていました。
外側部分は薄い皮状態で火もつきやすく、乾燥した芯もスポンジ状の植物繊維の塊ですから燃焼維持もしやすそうです。
これであれば生ゴミとしての体積も相当に激減できますね。
あとは芯などは切り刻んで牛のエサの一部にする事も出来るとは言います。
ただ、酪農家さん等牛舎で食事管理している所に一般家庭で出た芯を寄付などは他の物が混ざって牛に危険を及ぼすわけにもいきませんので、とうもろこし粒の缶詰工場などで大量に出る芯を集めての一括引き取りなど衛生面などクリアした状態でないとこの解決方法は難しいかもしれません。
体積的に100%廃棄削減するなら
一般家庭でも出来る事として挙げられやすいのは「コンポスト」で家庭菜園用の肥料にする事でしょうか。
自治体もそれぞれ購入費用の補助をしてくれる制度があります。
札幌市では最大2000円となっていたりします。
4000円ぐらいのコンポストであればほぼ半額で購入は出来ます。
問題はある程度期間がかかる事、そして発酵促進のためにボカシなど継続利用の為のコストがかかる点は考慮する必要があります。
自分の家に家庭菜園が無い場合はとうもろこしを育ててくれた農家さんに寄付して還元する、というのもいいかもしれませんね。
(最近は肥料代も高騰していて農家さんも打撃うけてますし)
この方法ですと時間と費用がかかりますが、サヤも芯も体積的に100%削減は達成できそうです。
とはいえ、誰でも気軽に簡単に、というわけでもないのが難しい所ですね。
終わりに
食品ロスの問題で何故ダメなのか、という点では「燃やす時のCO2がー」と言われがちです。
だから廃棄しないようにしましょう、と結論読んでなんとなくその場ではわかった気にはなるかと思います。
でも大事なのはそれを自分事としてどう実践、どう理解するかだとは思います。
今回のとうもろこしの例で
「廃棄されそうなとうもろこしを食べて食品ロス削減頑張った!」なのか
「食べるだけじゃなくて芯もどう活用できるかな?」なのか
それによって自分なら実際の行動はどうするのか、色々考えてみていただければ嬉しいです。
私の仕事はプラスフードというサブスクを運営するだけじゃなく、こういった発信をして多くの方々に色々な視点を伝えるのも必要と思っています。
プラスフードの活動にご協賛お願いします。食品ロス削減活動に使わせていただきます。