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Bクラブ決算の「その他売上」って何…?

1.今回のテーマ

 お疲れ様です、+Bです。
 「経営の多角化」、「多角化戦略」、学生時代の社会の授業で耳にしたことがあるようなないような言葉です。既存事業に捉われず新たな収益源となる事業を模索したり、特定の事業に依存することによるリスクをヘッジしたりするなど、色々と目的はある言葉ですが、そんな多角化経営の波が徐々にBクラブにも迫ってきているのをご存じでしょうか…?
 ということで今回のテーマは、Bクラブの「その他売上」です!早速本編どうぞ!

2.Bクラブ2021-22シーズンその他売上ランキング

 そもそも「その他売上」って何ですか…?という話なんですが、ここは会計基準があったり、リーグから定義が外部向けに示されたりしていないので何とも説明が難しい所ではありますが、ざっくり言うと”バスケの試合興行と関係のない収益”とご理解いただければ問題ないかと考えています。

「・・・え?バスケのクラブがバスケと関係のない収益を計上しているの?オシャレなカフェでも経営してるのかしら?」

 そうそう、そんな感じです!それでは、まずは直近のBクラブのその他売上の計上額を見てみましょう!

 ↓毎度おなじみBリーグ決算情報

●B1 B2 2021-22シーズン 全クラブ その他収入ランキング

 1位の島根が3億5,583万円に対し、36位の青森は804万円ということでクラブごとにかなり偏りがあるのが分かりますね。1億円を超えているのは僅かに9クラブということで、一見するとその他売上はBクラブの経営上はそれほど重要性がないようにも捉えられます。
 しかしながら、このその他売上については新B1を見据える上で重要となっています。ということで新B1の規約を抜粋いたしました。

第21条[売上高基準]
(1) B1申請者は、B1申請者の計算書類において、下記の金額以上の売上高(税 抜)を計上していなければならない。ただし、B1申請者が次条に定める連結等 売上高で判定を希望する場合には、この限りではない。なお、計算書類が税込 みで作成されている場合には、税抜き金額に換算した金額で判定を行うものと する。
① 1次審査:12億円以上かつバスケ関連事業9.6億円以上
② 2次審査:12億円以上かつバスケ関連事業9.6億円以上
③ 3次審査:9億円以上かつバスケ関連事業7.2億円以上(入場者数基準にお いて平均4000名以上の場合) :12億円以上かつバスケ関連事業9.6億円以上(入場者数基準にお いて3,000名以上、4,000名未満の場合)
④ 4次審査: 9億円以上かつバスケ関連事業7.2億円以上

規約 | B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト (bleague.jp)

 つまり、最大で2.4億まではバスケと関係ない事業の収益も売上にカウントしてよいよ、というルールになっています(あ、実際このバスケ関連事業に関する売上が決算概要の科目でいうその他売上以外の全ての科目なのかは定かではないです間違ってたらごめんなさいm(__)m)。
 12億を余裕で上回りそうなクラブについてはその他の事業をガン無視しても良いかもしれません。しかし、21-22時点でその他売上を除く売上高の合計が12億を超えているのは宇都宮、千葉J、A東京、琉球と僅かに4クラブしかありません。この事から、大半のBクラブにとっては最大で2.4億までカウントされるその他売上が、新B1参入に向けて非常に重要であると言えると思います。

3.その他売上に関するBクラブの事例

 ここでは、実際に各クラブがどのような”バスケと関係ない事業”を行っているのかをご紹介したいと思います。

島根(officialチア アクア☆マジック プロモーション事業)

 2021-22シーズンその他売上:3億5,583万円(1位)

 島根については、オフィシャルチアパフォーマンスグループである「アクア☆マジック」がシングルデビューし、CDを発売したことが話題となりました。発売日は2021/11/10。実際に、2021-22シーズンのその他売上は前期比で1.1億円増加しており、このアクア☆マジックのプロモーション事業による収益も貢献しているものと思われます。
 なお、20-21時点でも2.4億計上されていることから他にもその他売上の重要な収益源があるものと思われます。お詳しいスサマジブースターの方からの情報提供をお待ちしております!

大阪(おおきにアリーナ貸出事業)

 2021-22シーズンその他売上:3億4,583万円(2位)
  
 大阪エヴェッサは、大阪市と定期建物賃貸借契約を締結し、2015年から10年間にわたりクラブ主導の運営を行っています。エヴェッサの試合興行が行われていない日の施設利用料の収受によって全体の2位のその他売上を計上しているものと推測されます。

千葉J(飲食店運営事業)

 2021-22シーズンその他売上:1億3,979万円(7位)
  
 千葉ジェッツは、公式カフェ&レストランである「CAFE AND BAR THE OFFCOURT」をプロデュースして運営を行っていましたが、残念ながら2023/4/23をもって閉店してしまいました。私も訪れたことがありますが本当に食事も飲み物も全て絶品、店内の雰囲気も最高だったので非常に残念です。。
 また、これによる2022-23シーズン決算の影響は要チェックです。具体的に影響がありそうな会計事象としては以下です。減損については建物は賃貸しているだけかと思いますが、改装工事に係る建物付属設備や調理器具等の器具・備品など、何となく数百万円の規模感になりそうな感覚です(MIXIが代わりに固定資産全て持っている、あるいは2023/6末までに千葉JからMIXIに全て売却する、といった事が起きると千葉J単体決算での減損は回避できますが)。
 ①閉店による2023/4-6におけるその他売上の減少
 ②閉店の意思決定による店舗有形固定資産の減損損失(2021-22シーズン末の有形固定資産簿価:1億8,099万円)

秋田(飲食店等運営事業)

 2021-22シーズンその他売上:1億2,490万円(8位)
  
 秋田も千葉Jと同じく飲食店運営事業を展開しています。具体的には以下3つの事業を行っています。

 ①ハチトニ製パン

 秋田駅のほぼ目の前にあるパン屋さんなんですがマジで激うまです!また秋田に行く機会があったら絶対に行きたいと思った場所の一つ。秋田に行かれる際は是非お立ち寄りください!

マジでどれもおいしそうすぎて、、
マジでマジでマジでどれもおいしそうすぎて、、
結局これを食べました!美味しかったなぁ

 ②秋田あくらビール
 
 こちらは秋田に残した個人的な宿題になってまして、、、というのもビアカフェあくらに行けなかったからです。

 ビアカフェあくらがこちら。外観オシャレすぎだしビール美味そうすぎだしビール美味そうすぎだしビール美味そうすぎません?(大事な事なので3回言いましたよ?)

 ③道の駅運営事業

 こちらの道の駅運営についても、次回秋田にお邪魔したときは是非立ち寄ってみたい所です。ハピネッツも、23-24決算でその他売上が新B1審査カウントMAXの2.4億まで事業が成長するのはほぼ確実なのではないかと、この3つの事業だけでも思っちゃいますよね♪

4.終わりに

 ということで今回は、Bクラブの多角化経営の状況について、その事業規模、事業内容、重要性を簡単にまとめてみました。今回紹介しきれなかったクラブでもきっと好事例がたくさんあるかと思いますので、是非全国のブースターさんからの情報提供をお待ちしております!

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