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オーセンティックリーダーシップに必要な目的や使命感はどのように獲得されるか

とある研修で、リーダーシップや使命感・生きがいについて話すことになったので、みんな大好き「Can/Want/Needs チャート」から広げてみました。

オーセンティックリーダーシップに必要な「使命感」

さまざまなリーダーシップがある中で、自分のリーダーシップは、オーセンティックリーダーシップに近いものと認識しています。オーセンティック(本物・真正・確実)リーダーシップとは、より自分らしい価値観や目的を重視するスタイルのリーダーシップのことで、従来のリーダーに見られる、力強いカリスマ的なリーダーシップとは対照的です。

そうしたリーダシップを発揮するには、自分の生きる目的・使命感を明確にする必要があります。これらはあえて身につけるというより、元々の願望やスキル、置かれた環境によって、後天的に与えられるものと理解するほうが自然かもしれません。

その環境や思考を理解するために、Can/Want/Needs チャートから掘り下げてみます。

使命感=Can/Want/Needs の重なり

まずCan/Want/Needsの3要素が重なったところが、生きがい・使命であり、ここが「自分の最高の居場所」となり、リーダーシップを発揮できるところです。

また、「やりたいこと」というのは捉え方が難しいです。よく「やりたいことが見つからない」という人がいますが、その場合の「やりたいこと」とは「Want」のことではなく、3つの重なり部分だる「使命」「やりがい」のことなのだと思います。Want だけでは長続きしません。

では、どうやってこの重なりを意図的に作り出したり、大きくできるののでしょうか。

まずは「Can」にフォーカス

3要素のうち、CanとWantは内的要因(自分)、Need は外的要因です。コントロールできるのは内的要因ですから、まずはCanとWantにフォーカスすることになりますが、その中でもよりコントロール可能な Can を大きくすることにフォーカスします。できることが増えれば、自由度が増し、未来の可能性は大きくなりますからね。

Can を大きくするには、「体験の収集」と「実用可能なスキル(Minimum Viable Skill)の獲得」が有効だと思います。これらの収集・獲得は、ツールが整備され、YouTube の解説動画などを通じて行うことが容易な時代になりました。

「Want」と「Can」を大きくすることで、理想の自分に近づける

Can を増やすには、その動機づけ(Want)も欠かせません。Want と Can を増やすために、小さな Want から始め、イテレーションを行いましょう。まず Want を思い浮かべてください。次に、意思を持って行動にします。続いて、そこでの学びをスキル・経験とし、それらを貯めることで新たな「できること」(Can)になります。自ずと解像度が高くなり、次のやりたいこと(Want)が浮かんでくることでしょう。

そのイテレーションを、大きさや種類を変えて行うことで、Want と Can を増やしていきます。増やすことで、「今の自分」から、「理想の自分」へと変化していきます。

徐々に近づくというより、ある時に突然、運命のようなものが舞い降りる印象です。電気伝導のパーコレーションモデルのように、ある臨界の充填率を超えた瞬間にA-B地点の間に導電回路が形成されるイメージです。このモデルに倣えば、いかに効率良く充填するか(位置・大きさ)が理想の自分に近づく鍵とも言えます。IT系の方には「Connecting dot」の方が馴染み深いかもしれません。

ファーストアクションのためらいを克服する


このイテレーションにおいて、やっかいなのはやりたいと思っても、意思(Will)が思うように働かず行動に移らないことがあることです。それは「やりたいではないのでは?」という声もありそうですが、なりたい姿とそれに向けた努力は違うものですし、面倒だったり苦手なことはあるものです。

最初のアクションのためらいを克服するのは、こうした Tips が役に立つかもしれません。

  • ふと湧き上がる「やりたい気持ち」に素直に従う

  • 思ったらすぐ行動(ノータイムポチリ)

  • 「学びの価値」は正当化できると信じる(失敗も学びのうち)

  • 成功は「率」ではなく、「大きさ」「回数」で測られる(何回失敗しても良い。一度成功すれば良い)

  • 小さな習慣(Tiny Habbit)化する

最後に重要なことを一つ。

  • 「自分ならできる」「超えられる」と信じる

自分を騙す、という方がもっともかもしれません😅

重なりを意図的に作る「計画的偶発性」

イテレーションを繰り返し、Can も Want も大きくなってきたら、あとは Can/Want に Needs が重なる運命の瞬間を待つだけです。Needs ばかりは待つしかありません。その瞬間が来ないなら、来るまでイテレーションを繰り返しましょう。

キャリア設計をする上で「計画的偶発性」という考え方があります。これは、良いキャリアは、実は予め目的に拘った結果ではなく、偶然の出来事や出会いによって築かれることを、調査によって明らかにしたものです。調査によれば、個人のキャリアの8割は偶然から作られるとのことです。

もちろん、たまたまだけでは作られません。計画的偶発性において、好奇心、持続性、楽観性、柔軟性、冒険心が重要と言われています。常にオープンで前向きな気持ちをもって、意図的に行動(上でいえば Can/Wantを増やす)したことで、思いもよらなかったチャンスを手にできます。

良いNeeds の見つけ方

運命の瞬間が来ないのは、もしかすると、Needs の見つけ方が良くないのかもしれません。

Needs とは、起業の世界では別の言い方として「Pain(痛み)」とも言われます。人々は痛みを感じればそれを取り除きたくなる(Needs)のは必然ですね。Needs を叶えようとしている我々は、ちょうど「お医者さん」というわけです。

お医者さんは、痛みを感じたことがなくても、患者の病気を判断し、治すことができます。どうすればそんなことができるのでしょうか。いくつか Tips を紹介します。

  • 自分ごとで考える(Dog fooding)

  • 家族や友人などに周りの10人に、今困っていることをインタビュー(大衆に聞くのではなく。数より率が重要)

  • 自ら火中に突っ込む(「痛み」の自分ごと化)

  • 「ほとんど賛成する人がいないような大切な真実」に注目する

興味のある方は、起業関係の専門書などを当たってみてください。

事例:Piascore社の起業

Can:

  • プログラミングやデザインスキルがあった

  • 事業マネージメント経験があった

  • 最低限の企業ができる資金があった

Want:

  • いつか起業したかった

  • 次のキャリアを考えていた時期だった

Needs:

  • iPadの発表直後にX(旧twitter)にアプリイメージ画像を投稿したところ、3日間通知が鳴り止まないほどバズった(=ニーズがあるのを確信)

  • アマチュアピアノ弾きの自分にとって、電子楽譜ビューアがほしかった(Dog fooding)

最後に


つまるところ、オーセンティックリーダーシップとは、「自分の最高の居場所」を見つけ、その中で仲間とともに全力を尽くすことです。

ぜひ、そういう最高の場所を見つけられるようトライしてみてください。

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