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ネパール2日目 突然に

早速嬉しいことがあった。プレゼンを聞いてくれた方から連絡が来て、「うちの作業所に来てください。代表にもう一度その話をしてもらえませんか」と言われたのだ。明日の朝9時半に会う約束をして電話を切ったとき、めちゃくちゃ嬉しかった。でも同時に、今の英語力だと伝えたいことの半分、いや三分の一も伝わっていないかもしれないという不安がよぎった。そこで、サポートしてくれるBishunuさんに連絡して状況を伝え、同行してもらうようお願いをした。こんなに有難いことはない。少なくとも80%は伝えたい。頭の中を整理するために少し歩いて考えることにした。

考えれば考えるほど、ネパールとの縁では不思議なことが起こっていると気が付く。美容業界で20年、一筋に働いてきた私が、徐々に美容に対する違和感を感じるようになり、エステサロン運営の後継者として話も出ていた矢先に退職を決意した。2017年に第三子を出産し、2018年には残りの人生は、自分の感じる「美しい」を追求しようと思い起業を決意、あらゆる化粧品の成分の勉強を始めた。しかし、勉強するたびに「わからないこと」が次々と出てくる。施術や皮膚生理学について学んできたが、化学について全く勉強をしなかったから美容に長く携わってきたにもかかわらず、化粧品に対する知識が浅すぎたのだ。現在現場で働くエステティシャンも少なからず日々の常務に追われて技術と知識を持ち合わせた人は少ないのではないかと思う。
美容の歴史からもう一度学び直そうと決意し、行き着いたのが植物「無患子(むくろじ)」だった。


春日大社のムクロジ


ネパールのRittha(ムクロジ)


この植物は日本でも歴史のある植物で神社やお寺でみられるが、今となっては数が圧倒的に少ない。そんな時偶然にもある方からネパールのスタディツアーに誘われた。ちょうどいいタイミングだった。なぜなら無患子はネパールにも自生しておりむしろ大量にあることが分かった。「よし、ネパールに行ってこの植物をこの目で見てみよう」と思い立った。ネパールに行きたかったわけではなく、ただただムクロジをこの目で見ることだけを考えて渡航を決意した。その時はちょうどコロナが中国で確認され、徐々に広がりつつある頃だった。日本でも自粛が始まりつつあり、渡航を決めた私に「やめた方がいいのでは?」と言う人も何人かいた。でも、渡航をやめるという選択肢は私にはなかった。大きな空港を数人が行きかう中、無事に飛行機に乗り込み、私がムクロジを直接見たのはネパールについて3日目のこと。アーユルヴェーダの調合師が持ってきてくれたのだ。正直こんなにも早いタイミングで実物が見れると思わなかった。この国は不思議な国だと感覚があった。もしかしたら非日常を体験する運命の扉を開いたのかもしれないと思った。それは帰国後すぐにネパールのロックダウンの情報が入ったときにさらに感じた。(話が長くなってしまったが、今日までに至る続きの話はまた改めてさせてもらう)


ほとんど人がいない中部国際空港2020年2月

そんなことを振り返りながら歩いていたら、お腹も空いてきたのでお気に入りのレストランに入ることにした。このレストランはオーガニック食材を使用しており、農薬の心配も少ないと教えてもらった。それ以来、大好きなオクラとグリーンサラダを注文して、わさび醤油につけて食べるのが私の贅沢だ。翌日のプレゼンの内容をイメージしながら、お腹も満たされ、ホテルに戻った。

私がこの事業を始めて日々ムクロジと向き合い4年が過ぎようやくたどり着いた。
そしてネパールに戻ってきた。ここからがスタートかもしれない。
明日のプレゼンについては次回の話にします。



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