異様に湧き出す欲

空中に浮きたい
数年間そういう願望がある。
パラグライダー体験に申し込んだけど、強風で中止になって悔しかった!というところに至るまで考えたことの話をする。
6月現在、未だ空中に浮いた経験はない。

私は日本列島の離島在住だが、この『空中に浮きたい願望』は北の故郷に住むときからあった。

きっかけは、ガソリンスタンドで車のオイル交換の待ち時間だった。
暇つぶしに眺めていた旅行雑誌で、パラグライダーをできる場所が近くにあることを知る。
当時『空を飛ぶ選択肢』など一切なかったのに、その記事を目にした瞬間
「飛びたい。ていうか飛ぶ」と思った。
これほど強烈な飛びたい欲があったことに自分でも驚いた。

経験者がいないから

それからは会う人皆に、情報収集や話のネタとして「パラグライダーしたいんですの話」をしまくった。
友人はもちろんだが、主たるターゲットは行きつけの美容・整体師の方だった。

彼らから
「そこ知ってる〜」「やったことあるよ~~~!」
という反応はなかった。

それでもパラグライダーというワードから、話題はみるみる広がった。
特に美容師さんは職業柄なのだろう、興味津々に聞いてくれる人が多い。
すこし話して相手の食いつきが芳しくない場合「趣味の話ばかりしちゃってすみません、てへ」という感じで問題ない。
私にとっては、普段の会話が2ラリーの相手なら、優に5ラリーは目指せる話題になった!
『自分の感情が大きく揺さぶられたこと』をテーマに相手に伝えるようにしている。これは無意識に熱のこもった話し方になる。
相手にもそれが伝わって、なんか必死に話してるから聞いてみよ~みたいになる。その逆も然り。
もし理解が得られずとも受け取り方は相手次第だから、臆せず色々とぺちゃくちゃ喋っている。
もし相手が意見を伝えてくれるなら、新しい価値観を知れる。

って何の話?

天気予報は雨だからアレをした

パラグライダーの予約がやっとできた。
未経験者のためインストラクターが背中側に同乗し操縦してもらうコースを選ぶ。

フライトを2日前に控え、当日は降水確率が80パーセントになってしまった。
しかし、やっと予約が取れたし、絶対飛びたい私。
約20年振りにてるてる坊主を作り、お祈りをした。
名前を照(てる)さんという。モーマンタイ、至って真面目。

ついにフライト当日!

当日の朝、なんか晴れたのは照さんのお陰だと思った。
それも相まって意気揚々と集合場所へ向かう道中、知らない番号から着信が入った。パラグライダーの企画会社のオーナーさんだった。

「すみません、今日風が強いです⋯」

がーん!!!

安全第一のアクティビティだ。
天候の判断はシビアにならざるを得ない。
仕方のないことだがワクワクから一変、肩を落として帰った。


そうして色々な都合で予約できずに数ヶ月経つ。
今月、宮崎県でモーターパラグライダーによる事故が起きてしまった。
関連事故を調べてみると、日本全国だけでワンシーズンに一度ほど死亡事故が発生しているようだ。
だけどインストラクターの方が付いているということで私は飛ぶ。
こんなに飛びたいのだから、選択肢がひとつしかない。仕方ない。


3行でまとまりそうな内容を、ここまで読んでくださってありがとうございます。
文体とか統一しなくても気分で好きなこと書いていこ〜と思う今日この頃です。また書きますねー

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