中学生のころから松たか子の音楽が好き。 少し大人でさらりとした恋愛の歌が多くて、恋も愛も知らないうちから憧れた。 お気に入りの歌の中に「リユニオン」という曲がある。 5年前に別れた恋人に会いに行く女性の歌。 5年も経つと、あんなにつらかった別れもちゃんと過去のものになる。 傷つけあった日々も、未熟だった自分もちゃんと過去にして、 あの頃の自分、若かったよね、ごめんね、 そんな風に新しく笑いあえる大人に憧れる。 それができるのは、きっとちゃんと自分にも相手にも誠実に向き合
職場の人に言われた。 「最近、綺麗になったね」 「いい人でもできた?」 男の人は何もわかっちゃいない。 女の子が本気で綺麗になろうとするタイミングは2つあって、 1つは好きな人ができたとき。 そしてもうひとつは、 大失恋をしたときだ。 あの人を1日でも早く忘れるために。 もっと好きになれる人に出会うために。 私はメイク動画を見て、 新しいコスメを買い、 スキンケアに尽力する。 そうよ、私は綺麗になったの。 だから1日でも早く、素敵な人に出会えますように。
コンクリートに囲まれたオフィスから外に出ると、 ふわりと空気に暖かさを感じた。 2月半ばのお昼過ぎ。 まだ風は冷たく、セーターを着ているほどだというのに、 どこか空気の中に暖かさがにじむ。 こんなふうに季節を感じる瞬間が好きだ。 夏の終わりの気だるい暑さが少しだけ緩んだ夕方や、 半袖が少し物足りなくなる秋の初めの空の高い朝。 そして冬の終わりの、暖かさがにじむ日中。 いつの間にか夏も冬も当たり前になっていくから、 季節は移ろいゆくものだと気づかせてくれる瞬間は結構貴重。
ひとに対して誠実でありたい。 傷つけないように細心の注意を払いたいし、 それでも傷つけた人にはちゃんと謝りたい。 傷ついた人には寄り添ってあげたい。 大切な人のことは大切にしたいし、 あなたは大切にされているんだよとめいいっぱい伝えたい。 願わくばその相手から同じように大切にされたい。 だけど、最近心が折れそうだ。 そんな風に生きる人、そんなに多くないみたいだから。 傷つかないように、人に近づかないで生きてる。 そのくせ一人にはなりたくないからといって、 大切にする覚