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もう一つの、あるいはむしろこちらが正解?としてのサンリオのバーチャルイベント「Nakayoku Connect」

昨年12月に行われた「SANRIO Virtual Festival」の時にも痛感させられたが、サンリオはもはや「カワイイ」だけではない世界へと突入している。もちろんサンリオがサンリオである以上「カワイイ」は基本条件である。しかし、そこにさらに「かっこいい」と「あたらしい」をサンリオは乗っけてきている。

2022年7月15日から実際のサンリオピューロランドと連動する形で開催されている「Nakayoku Connect」もその一例である。ここで「なかよく」などという言葉を持ってくるところなどがいかにも我らがサンリオなのだが、これは実際のピューロランドで行われているショーとVRChat上のバーチャルピューロランドで行われているショーをリアルタイムで「コネクト」するというイベントである。そしてVR側の演出を担当しているのが、あの「SANRIO Virtual Festival」で我々の土肝を抜いたVRアーティスト「キヌ」を監督としたチームである。以下、尊敬の念を込めてHPからスタッフ一同をリストアップしたい。

【バーチャルショー】
監督 キヌ
コンセプトデザイン tanitta
3Dモデリング 三日坊主
演出・テクニカル Haruka Kajita
XRプロデューサー 三上 昌史
テクニカルディレクター Kiral Poon
キャラクターアニメーション ウワン / 渡邊 隼人 / 大桃 みなみ
VRChat実装 rakurai / 彦坂 守

このショー、というかこの舞台装置はとにかくかっこいい。サンリオの世界観とキヌが得意とするサイバーパンクというか近未来の世界観は確かに合わないのだが、その合わなささがさらにかっこよさを際立たせている。また、言わずもがなだがその演出はすごい。しかし同時にそのすごさ(VRならではの演出のすごさ)にも関わらず、むしろこれって現実なのでは、という感じさえ生じさせてくれる。実際のピューロランドにありがちなお花やお城ではなく、敢えてクレーンという無機質な機械を舞台装置に使っていることにもよるのだろうが、そのすごさと現実感の本質は、現実のピューロランドではいわゆる人形、着ぐるみが踊っているのに対し、こちらのバーチャルピューロランドではCGで作られたアバターが踊っているところにあるのではないだろうか。

ファンにとってキャラクターとは「もの」ではなく、生きている存在である。ある意味、アイドルといってもいいだろう。しかし、そのアイドルとしてのキャラクターの姿を着ぐるみで見せられると正直冷める。そこではむしろCGとしてのキャラクターこそが「本物」であり「正解」なのだろう。そしてその「本物」と触れ合える場所こそがVRの世界なのである。

と、そこまでサンリオ側が考えているかどうかは分からないが、とにかく、このバーシャルピューロランドの試み、今後も継続していってほしい。個人的には、我らがアイドル、クロミさまのライブを期待している。



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