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43.間違いなく今現在の日本で最高のサウンド:『1STST』by「TESTSET」

あの高橋幸宏氏の最後のバンドである「META FIVE」の遺伝子である「TESTSET」のファーストアルバムがこの『1STST』である。そして幸広チュルドレンたちは見事に親離れを果たした!確かに我々はここに『META FIVE』の遺伝子は感じるであろう。しかし、同時に『META FIVE』ではない『TESTSET』らしさも感じるはずである。そう、それこそが幸広氏を引き継いだ上でそれを更新したサウンドであり、そのサウンドを前面に出していこうというのが今回の『1STST』の心意気であり意気込みである。

「META FIVE」にはまだ見られたテクノ色を(でも、それが「META FIVE」の魅力なのだが)、本作では見事に全面的にロック色に変換している。もちろんドラム音がマシーンか生打ちかといった違いもあるだろうが、しかし単にそのような技術的な問題だけではない。そう、それはまさに「意気込み」の問題なのである。俺たちはこの路線で行く、このサウンドで行く、人はそれをテクノロックなどというかもしれない。人はそういったカテゴライズでしか物事を判断できないのだから。しかし、人がなんと言おうとこれが俺たちのサウンドだ、という意気込みである。

さて、この「TESTSET」、現時点では4人組のバンドであるが、今後、どのような形態に変化していくかは予想できないし、予想できないという意味で期待しかない。今回は不参加だったが、TOWA TEI氏が入ればまたサウンドが一味違ってくるだろうし、小山田圭吾氏が参加してもまた変わってくるだろう。あるいはまた全く別の角度から「えっ、この人が!」という人が入ってくるかもしれないし(個人的には幸広氏世代のレジェンドが参加してくれることに期待している)、TOWA TEI氏や小山田圭吾氏はまだ幸広氏の喪に服している時期なのかもしれない(小山田氏の場合は東京五輪の音楽的面での演出を降りることになった過去の過ち(しかし、「いまさらこんな過去をを掘り出しても、、、」という思いもないではないが)も関係しているかもしれないが)。いずれにせよ、この4人編成を基としたにゲスト参加という形になるかもしれないが、今後誰がここに加わったとしても、とにかく、この『1STST』のサウンドが基本形となるのは間違いないであろう。その意味でこの『1STST』はまさ「ファースト」であり「ファースト」の最上級でありその意味でマイルストーン(一里塚)でもある。事実、そのサウンドが最高にかっこいいだからもう、文句は付けられない!このアルバムは必聴であるし、これを聞かなければ、今後の音楽(サウンド)、さらに言えばこれまでの音楽(サウンド)は語れないというほどの傑作である。


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