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「Perfume衣装展」at 兵庫県立美術館に行ってきた!

「そもそもこれが美術館でやるものなのか、しかも公立美術館で」、という意見はあったに違いないが、美術館というものがアートを展示する場所であるならば、まさしくこれはアートの展覧会であった。

もはやPerfumeをアイドルと呼んで片付けてしまうには抵抗があるだろう。そう、彼女たちはある意味日本のアートシーンを引っ張ってきたのである。最初に注目されたのはその音楽であった。中田ヤスヒロ氏が手掛けるその音楽はYMO以来の新たなテクノポップと言われた。そしてその頃のPerfumeはまだテクノポップの中で歌うお人形さんたち、という感覚であった。

しかし、今や違う。彼女たちは決してお人形さんたちではない。美しく生きる大人の女性たちである。しかし、というかだからこそ彼女たちは今でもアイドルである。そう、アイドルを直訳すると偶像である。彼女たちはまさに時代を映し出す偶像なのである。お人形さんたちとはそこが違う。お人形さんたちはあくまでも誰かに操られる存在である。しかし偶像は違う。偶像は偶像の方が時代を動かす存在なのである。

そしてそのようにPerfumeを成長させていったのが、音楽に加え取り入れられた舞台や映像上での演出であり、またその一部としての衣装であった。今まで私はPerfumeを歌も歌えるし、ダンスも上手、パフォーマンス力にも優れた3人グループ。そしてその意味で「アイドル」と思っていたが、それに加え、実は彼女たちは「モデル」でもあったのである。モデルという存在は、ファッションモデルがその代表であるように、自分自身よりもファッションのほうを引き立てる存在である。Perfumeもまさにそうであった。しかし、Perfumeが引き立てていたのは決してその衣装だけではない。ステージ演出や映像演出に代表されるその時代の空気、まさにトレンドの最先端というもの自体を彼女たちは引き立てていたのである。そしてその一つの要素として重要なのが「衣装」だったのである。しかし、繰り返しになるがそれはだれが着ても成立するものではない。Perfumeだからこそ、Perfumeという3人のモデル=偶像=アイドルが着るからこそ成立するものなのである。

そして、その、これまでのある意味集大成と言えるのがこの展覧会である。恐らく兵庫だけで終わることはなく、今後各地を回っていくだろう。それだけの価値のあるものである。

しかし、一方では、では、これがある意味Perfumeの一つの区切りなのか、と心配する声もあろう。しかしそんなことはない。10代20代のカワイイから始まり30代でカッコいいになったPerfumeは、これから「美しい」へと更なる進化を遂げていくであろう。「美しいアイドル」これはある意味矛盾した言葉である。なぜならアイドルは基本的にカワイイものなのだから。しかし、Perfumeはその新しい世界を切り開いていくだろう。最近激やせが話題になっている(というか心配されている)あーちゃんだが、それが彼女なりのチャレンジなのである。その意味ではもはやPerfumeはアスリートの域に達しているとも言えよう。アスリートにしてアーティストにしてアイドル。それはこれからのこの3人にしかできない挑戦である。決して無理をしない程度に(体を壊さない程度に)がんばってほしい。

ということで後は写真です。この展覧会、最後のコーナーだけ写真撮影ができるようになっています。

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