親殺し
今一番の話題のアニメ映画あるじゃないですか?あれを見てちょっと自分の体験を書こうと思います。
碧ちゃんの家庭は、私は引きこもりだし、兄は前科者だし、あまりよく出来た家庭では無かったんです。かなり問題のある家庭だったと思う。
正直、みんなみたいに学校行きたかったですよ。でも、閉じ込められるように、引きこもりになった。とても親を恨んでいました。
その引きこもり時期に押井守監督の『スカイクロラ』という映画を見たんです。
キルドレと呼ばれる歳を取らない子供、毎日毎日平坦な日常が続いていくんですが、主人公のキルドレがこのループから抜け出そうと決意するんです。その時の台詞が「This is my war. I kill my father.」って言うんですね。
これ観て、自分みたいだ…って思って引きこもり辞めようと思って上京するんです。
で、上京してから生まれて初めて"働く"という事をするんですが、最初に働いたのが結構なブラック企業で、これは引きこもりの人にしか分からないかもしれないんだけども、週5で8時間労働って普通の事でさえキツいんですよ。毎日決まった時間に起きる習慣が無かったですからね。普通に働く事でさえ困難なのに、残業がすごく長くて…。
それと、東京って出勤退勤時間が凄く長いんですよ。家から駅までの時間とか含めたら2時間くらいかかっちゃう。それと毎日夜21時くらいまで残業で睡眠時間は全然足りないし、今にして思えばよく一年も続けられたなと思います。
この時も、マトモな学校とか行っとけば、こんなブラック企業じゃなくてホワイトな労働環境で苦労しないで済んだのにとか、親を恨んでいました。
そんな頃、ニュースを見ると就活出来なくて自殺しちゃった子とか、良い大学出て有名企業に就職した子が過労死するニュースとかあって、ちゃんとした大学とか行ってたような子もこんななっちゃうんだ…と驚きました。
考えてみれば、私の人生は新卒の就活とか無縁だったし、ちゃんと育ててもらったから、ちゃんとしないといけないみたいなプレッシャーが一切無かったんですよね。
だから、仕事が嫌だったらすぐ辞められるし、オカマになったり、いつまでも音楽やったりとか好き勝手出来るんです。
逆に親がしっかりした人で、ちゃんとした教育を受けさせられて、ちゃんと育ててもらっていれば、こういう事に罪悪感を感じてたかもしれない。
ちゃんとしたコースでも、私みたいに歪んだコースでも、結果は同じだったかもしれないとか。結局、どのコースでも私次第なんだなと。
そう思ったら、なんか親への恨みが無くなって許せたんです。