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第57回スーパーボウル(Super Bowl LVII)の注目ポイント 後編〜

こんにちは、PLMキャリア の保坂です。
前回の記事では来週の月曜日(現地時間 日曜日)に控えた全米最大のスポーツイベント“Super Bowl”の影響力について記事を書きました。

今回はその後編として、Super Bowlのハーフタイムショーについて紹介をしていきたいと思います。それでは、早速参ります。

Super Bowlハーフタイムショー

Super Bowlにおいて、本戦と並んで有名なのが著名なアーティストによる豪華なハーフタイムショーです。前回の記事でSuper Bowlの影響力について述べましたが、全米が注目するスポーツイベントのハーフタイムでパフォーマンスができることはアーティストにとっても大変な名誉となっています。また、NFL側も著名なアーティストにハーフタイムショーに出演してもらうことで、普段はNFLに興味がない人たちにも関心を持ってもらえるため、NFLと音楽業界、そしてそれを楽しみにしているファンにとって、欠かせないイベントとなっています。
参考までに、下記に過去5年間でハーフタイムショーに参加したアーティストをまとめましたが、グラミー賞の受賞をはじめとする数々の成功を収めている著名なアーティストがズラリと並んでいます。

2018年 Justin Timberlake

2019年 Maroon 5

2020年 Shakira、Jennifer Lopez

2021年 The Weeknd

2022年 Dr. Dre、Snoop Dogg、Eminem、Mary J. Blige、Kendrick Lamar

そして、今年のSuper Bowlハーフタイムショーを彩るのはグラミー賞をはじめ数々の賞を受賞し、2019年に米Fobes誌で“史上最も裕福な女性アーティスト”として掲載されたRihanna(リアーナ)です。

リアーナとNFLの関係性

Super Bowlの本戦と並び、彼女がハーフタイムショーでどういったパフォーマンスをするのか注目されていますが、実はこのリアーナとNFLの関係には対立構造がありました。2016年に当時 San Francisco 49ersに所属していたColin Kaepernickが、試合前の国歌斉唱時に「黒人や有色人種への差別がまかり通っている国には敬意を払うことができない」と立ち上がらずに膝をつき抗議の意を示しました。このムーブメントは他のスポーツにも影響を与え、スポーツのみならず様々な業界で議論を呼びました。自らも有色人種であるリアーナはKaepernick の行動に賛同の立場をとっていたものの、NFLがこの抗議行動を否定する形で国歌斉唱時に起立することを事実上義務化したため、出演のオファーを貰っていたとされる2019年のSuper Bowl ハーフタイムショーのオファーを断ったという経緯があります。
今回リアーナがオファーを受けたのはそれ以来となり、彼女がオファーを受諾した背景にも注目が集まっています。ハーフタイムショーに出演するアーティストの中には、ライブツアーや新曲をPRするためにこのビッグイベントを活用するアーティストもおり、実際にリアーナは昨年10月に久しぶりにソロ曲をリリースしているため、そのPRのためでは?という憶測も飛んでいましたが、本人はこれを否定しています。
本当の理由は知る由もないものの、リアーナが所属するレコードレーベル “ロック・ネイション” はNFLとエンターテイメント分野でのパートナーシップを締結しており、ハーフタイムショーの演出をはじめとするコンサルティング業務を担っています。そして、この “ロック・ネイション” はリアーナをトップアーティストに育て上げ、史上最も成功したミュージシャンの一人とされるJay-Zが代表を務めています。リアーナにとって恩人とも言えるべきJay-Zの仲介によってNFLとの関係性も良好になり今回の出演が実現したのではと言われています。

Super Bowlハーフタイムショー の新時代

さて、今年のハーフタイムショーはリアーナの出演と並び、もう一つ注目したいポイントがあります。それは、ハーフタイムショーのスポンサーです。2013年から昨年まで長らくPepsiCoがハーフタイムショーのスポンサーを務めてきましたが、今シーズンからは新たにApple Musicへと変わります。契約の内容は年間 5,000万ドルの5年契約とされており、ファンはSuper Bowl開始までの期間にApple Musicのソーシャルメディアアカウント等で様々な限定情報にアクセスできるなど、既に様々なアクティベーションが行われています。
Dr. DreやSnoop Dogg、Eminemなどヒップホップのカリスマが一堂に集結し話題となった2022年のハーフタイムショーですが、ハーフタイムショーの後には大トリに歌われたDr. Dreの名曲 “Still D.R.E.” が音楽ストリーミングサービス ”Spotify” のグローバルチャートトップ50にランクインしました。この曲のリリースは1999年ですが、ハーフタイムショーをきっかけに、世界中の人々がこの名曲を再び聞くという動きに繋がっていたことは言うまでもありません。
今年から新たにスポンサーになったApple Musicのメインサービスは言わずもがな音楽のストリーミングであるため、サービスを展開するApple Musicにとって、全米のみならず世界中の人々にリーチできるSuper Bowlのハーフタイムショーは、この上なく親和性の高いスポンサーシップと言えるのではないでしょうか。

まとめ

今年のスーパーボウルハーフタイムショーは、NFLとわだかまりのあった世界的大スターであるリアーナの出演Apple Musicという音楽をメインサービスに位置付ける企業のスポンサード元年であること、それを現在も音楽業界を牽引するJay-Zが率いる“ロック・ネイション”によるプロデュースなど、様々なことが重なる年です。
NFLと “ロック・ネイション” 、そしてApple Musicによるパートナーシップは今後も続いていくため、今年のハーフタイムショーは様々な取り組みや新たな施策が始まる最初の年となるのではないでしょうか。過酷なシーズンとプレーオフを勝ち抜いたチームが出場できる頂上決戦に加え、それを彩るハーフタイムショーの背景にも注目してみるのも面白いかもしれません。


〜参考サイト〜


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