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第57回スーパーボウル(Super Bowl LVII)の注目ポイント 〜前編〜

こんにちは、PLMキャリア の保坂です。
昨年の9月にNFLの2022-23年シーズンで注目したいポイントについて記事を書きました。

時間の流れは早いもので、全米で一番の人気を誇るNFLも最後の頂上決戦であるSuper Bowlを直近に控え、シーズンの終わりが近づいています。
NFLは全米で圧倒的な人気を誇り、その最終戦であるSuper Bowlは国内最大のスポーツイベントと言われています。ファンの注目はもちろんのこと、多くの企業がその人気を活用したいと考えており、毎年様々な施策が行われています。今回は2023年に行われるSuper Bowl LVIIにおいて個人的に注目したいポイントを前編と後編に分けてご紹介いたします。

Super Bowlとは

改めて簡単に説明しておくと、Super Bowlとは全米人気No. 1 スポーツであるアメリカン・フットボールのプロリーグ、”NFL”の優勝決定戦です。NFLはアメリカン・フットボール カンファレンス(AFC)とナショナル・フットボール カンファレンス(NFC)の2つに分かれており、それぞれのカンファレンスを勝ち抜いた両者が対決する優勝決定戦がSuper Bowlです。MLB 、NBA、NHLなど他の北米4大スポーツの優勝決定戦は7戦制の4戦先取制を導入していますが、このSuper Bowlは1試合で決着するため試合の注目度も重要度も桁違いです。
毎年、2月上旬の日曜日に開催されており、第57回目を迎える今年は2月12日の日曜日(日本時間2月13日 月曜日)に、Arizona Cardinalsの本拠地であるState Farm Stadiumで行われます。頂上決戦となる今年は、レギュラーシーズン14勝3敗(NFC1位)の好成績を残し先日のNFCチャンピオンシップでも盤石の強さを見せたPhiladelphia Eagles と、ここ5年間で3回目のSuperBowl出場と黄金期を築いているAFCチャンピオン Kansas City Chiefsの対決です。

Super Bowlの影響力

アメリカン・フットボールは身体への負担が大きいスポーツのため、NFLではレギュラーシーズンの試合数も少なく、通常の試合ですらチケットの入手が困難なのですが、その頂上決戦であるSuper Bowlとなると更にレベルが桁違いとなり、毎年驚くような価格でチケットが取引されています。ロサンゼルスにほど近いイングルウッドのSoFiスタジアムで行われた昨年のSuper Bowlでは、チケットの平均価格が1万ドルに昇ったという衝撃のニュースがありました。

この価格はアメリカのチケットリセールサイトにおける掲載価格の平均であるため、さすがに通常価格ではないものの、それだけの価値がつくプレミアムなチケットであるということを示しています。

Super Bowlの開催地はシーズン開始前から決められており、通常は中立地での開催となります。ところがロサンゼルス開催(正確にはイングルウッド)だった昨年のSuper Bowlには、くしくも地元チームであるLos Angeles Ramsが出場し、加えて、ハーフタイムショーにはカリフォルニア出身のDr. DreやSnoop Doggなどヒップホップ界のカリスマ達が一堂に集結して史上最も豪華なハーフタイムショーとなったため、ただでさえ高額なチケットがさらに値上がりしたという背景もあります。(アメリカの物価高にも起因)

ちなみに、私が昨年のSuper Bowl開催時期にアメリカの大手チケットリセールサイト”StubHub”でチケットの価格を調べたところ、最低価格が5,254ドルとなっており、一番豪華なVIP席に至ってはなんと40,000ドルでした。

Super Bowl LVI (昨年)の座席価格
※リセール価格

リセール価格とはいえ、その数値が示すSuper Bowlの影響力と人気には改めて驚かされました。
また、Super Bowlの開催地には開催時期になると全米から多くのNFLファンが押し寄せてくるため、地域経済にも大きく貢献します。下記の画像は昨年のSuper Bowl開催時に私がスタジアム近くのホテル料金を調べたものですが、通常時(2023年1月25日時点)の価格と比べてSuper Bowl開催時期は約5倍の価格になっています。

Super Bowl開催時と平常時の価格差

このように、地域経済や社会への影響力も凄まじく、北米最大のスポーツイベントというのも頷ける桁違いのビッグイベントがSuper Bowlです。

Super BowlとCM施策

Super Bowlは本戦ももちろんですが、各社がユニークなCMを公開するのも一つの恒例行事となっています。日本で放送される中継映像ではアメリカで実際に流れているCMを見ることは難しいですが、CM枠を購入した企業は著名人を起用したり、映画さながらの撮影をしたりと、数十秒間の映像に莫大な費用をかけて自らの企業をアピールします。
テレビ番組のコンテンツとしてもNFLの人気は凄まじく、2022年にアメリカで放送されたテレビ番組の視聴率ランキングTop100のうち、なんと82番組をNFLの試合中継が占めていました

くり返しになりますが、通常の試合ですらこれだけランキングに入るレベルですから、その最終決戦であるSuper Bowlの影響力となるとまさに桁違いで、昨年の第56回Super Bowlの総視聴者数はアメリカの人口の約3分の2にあたる推定2億800万人が視聴したという驚愕のデータも出ています。

つまり、企業にとってみればSuper Bowlで自社のCMを流すことは、この国の消費者に対する最大のアピール機会であり、それゆえ出稿額も年々増加し続けています。アメリカの大手誌USA TODAYによると、1967年時には出稿額が30秒(1枠)あたり37,500ドルだったのに対し、なんと昨年は30秒(1枠)あたり650万ドルにのぼりました。

各企業があらゆる手法を用いてSuper BowlのCM出稿に力を入れていますが、その中には日本の企業の姿もあります。トヨタや日産といった大手自動車メーカーに加えて、楽天やメルカリなどITサービスを展開している企業もSuper BowlにCM出稿していました。また、Super Bowlに出稿している企業の一覧を見ると、その時々のビジネストレンドも浮かび上がってきます。例えば昨年は、仮想通貨に関連した企業のCMも目立ちました。下記のサイトに昨年放送されたCMの一覧がまとめられていますので、気になった方はご覧になってみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。Super Bowlは社会的な影響力や注目度も桁違いの巨大コンテンツであるため、その人気を活用した様々なビジネスにも繋がっています。パワーと知略を生かした激戦が繰り広げられる本戦はもちろんのこと、Super Bowlを取り巻くビジネスにも注目してみると新たな発見があるかもしれません。

次回は後編として、”Super Bowlとハーフタイムショー “をテーマにお届けいたしますので、引き続きお楽しみいただければ幸いです。

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