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【自称・演劇本ソムリエによる】新年の始めに読むべき!おすすめ演劇本3選!

どーも、演劇本を紹介したら周りがそこそこ買ってくれる男・忍翔(おしょう)です。
皆様、あけましておめでとうございます。本年度もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、新年一発目のこの記事では、自称・演劇本ソムリエの僕が、おすすめの演劇本を厳選して3つ紹介します!

新年って新しいことを始めたくなるタイミングですよね。
なので、まずは新しい見識を本から得ることからスタートしてみませんか?

大学生の時には池袋ジュンク堂の演劇コーナーにある本を片っ端から読破し(その結果、最後の方にあったインプロに到達し、それに人生を捧げることとなる)、現在はオンラインを通して世界中の演劇ワークショップを受けている(恐らく日本一受けているのではなかろうか…)僕だからこそ、自信を持っておすすめ出来る3冊です!

では、行きましょう!!!


〜選考基準〜
・新しいものに出会いたい人のために、読むだけで学びになるようなもの。
・役者、演出、脚本の視点は問わず。とにかく演劇の創作や鍛錬において役立つであろうもの。
・日本語で書かれている書物のみ。
・戯曲は対象外。
・玄人向けの専門書も対象外。

1.「即興し始めたニッポン人 1〜3巻」今井純

■内容
インプロの父、キース・ジョンストンの思想を元にしたインプロワークショップ(指導者は著者である今井純さん)を録音し、それを書き起こす形式で書かれている本です。
■注目ポイント
キース・ジョンストンの思想はもちろん、彼のゲームが作られた理由や目的まで知ることが出来る!
キース・ジョンストンはインプロの父として、シアタースポーツを始めとした世界的フォーマットや、数々のインプロゲームを開発してきました。
しかし、その多くはきちんと伝承されておらず、彼の根底思想である「恐れを取り除いて、真の創造性を発揮する」ことは疎かになり、インプロは面白おかしいことをただやるだけの、エンタメ色の強い馬鹿馬鹿しいものに成り下がってしまいました。
しかし、この本ではその根底思想までしっかり学ぶことが出来、インプロ本来の面白さや難しさ、可能性を知ることが出来ます。

※ちなみに後に「キース・ジョンストンのインプロ」というキース本人による来日ワークショップ書き起こし版も出版されているのですが、個人的に自分の人生を変えるキッカケになった物とであること、なおかつゲームやエクササイズが豊富で、指導者に強くおすすめ出来ることから、こちらを選ばせて頂きました。もちろんこちらの本もおすすめですし、併せて読むとより学べるでしょう!

2.「チェーホフをいかに上演するか」デイビッド・アレン/訳:武田清

■内容
アメリカ、ロシア、イギリスの著名な演出家達(スタニスラフスキー、ヴァフダンコフ、リー・ストラスバーグなど)が、どのようにチェーホフ作品を分析し、演出したかが書かれている本です。
■注目ポイント
世界的な演出家達の視点を通して、チェーホフの名作を見つめることが出来る!
この本を読む際は、前もってチェーホフ四大作品(「かもめ」「三人姉妹」「桜の園」「ワーニャ伯父さん」)を読んでおくことを強くおすすめします。その作品達を読むこと自体でも有意義ですが、更にそこから世界的な演出家達の視点まで知れるのは「一石で何鳥取れんねん!」ってくらい贅沢です。
チェーホフは「わかりにくい」「退屈な会話劇」という印象を持つ方もいるかと思いますが、そこで止まってしまってる人には特におすすめしたいです。僕も最近までチェーホフの良さがよくわからなかったのですが、この本を通して、彼の戯曲が持つ力を知ることが出来ました。

※四大作品達はいろんな方の翻訳版が出ていますが、現代的かつ同じ訳者が読みやすいだろうと思ったので、浦雅春さんの翻訳で統一し、リンクを付けておきました。

3.「現代戯曲のレッスン」ゴードン・ファレル/訳:常田景子 

■内容
リアリズム演劇、自然主義演劇、不条理演劇など、様々なジャンルの演劇がどういうものかをそれぞれ解説している本です。
■注目ポイント
ありそうでなかった!演劇のジャンル分け辞典!
世の中の演劇には様々なジャンル、スタイルがあります。皆違って皆良いのはもちろんですが、だからこそ現場によって言われることが違ったり、見に行くものによって全然違ったりして「一体何が正解なんだー!」っていう心の叫びを誰しもが経験したことがあると思います。
そんな悩みを綺麗に解決してくれるのが、この本です。
これを読めば「なるほど、この演劇はこんなビジョンを持って描かれたのかー」と思えるようになるし、「じゃあ私はこんなビジョンを持ってるから、こんな形式で書けばいいんだー」と思えるようになります。やったね!


他にも紹介したい本は山ほどあるのですが、手始めの3冊として、紹介させて頂きました。
気になるものがあったら是非手に取ってもらって、いい年始のパートナーにしてみてください。

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