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「家で出来る演劇と岸田國士」_大塚由祈子の話


#家で出来る演劇 ディレクターの日野あかりです。

今日は出演者の大塚由祈子さんの話です。

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初めましての方も、初めましてでない方も、暑中お見舞い申し上げます。
大塚由祈子(おおつかゆきこ)と申します。
こんなに暑さを感じない7月は何だか異様ですね。ずっとステイホームでおうちにいたために、自分の身体感覚が狂ってしまったんじゃないかしらと少し不安になります。

私は4月からの緊急事態宣言下の中で、オンラインを駆使してトコトン演劇に携わっておりました。
『未開の議場-オンライン版-』演出助手から始まり、一人芝居祭『人生最高の一日』・stayhome一人芝居『反芻サンデー』・髭亀鶴オンライン実験の会『Hello, it’s me.』などで一人芝居動画の作成、オンライン上での即興芝居(インプロ)公演やリーディング公演への出演、演劇仲間と戯曲・演劇関連文献の読書会開催や海外のアクティングコーチのワークショップ受講などなどなど、忙しくも充実したステイホームの日々を過ごしました。
しかし5月に予定していた劇団公演は中止となり、2021年に出演予定だった舞台も白紙になるなど、悔しいことも多々あり、『アナザーエデン』というスマホゲームに手を出し、それに熱中することで現実逃避して(※とても面白いゲームですが、泥のように時間が溶けていくので要注意です。)、行き場のない思いを持て余していました。
オンラインで演劇をやることで、俳優としての感覚を少しでも鈍らせないようにしたい。お客様の前でまたお芝居するときに、より良いものをお見せできるように、勉強して実践に活かしたい。先の見えない状況でしたが、自分なりに前を向いて行動していたつもりでした。
が、今回こうしてお客様の前で作品を上演できるご縁を半年ぶりにいただき、自分の気持ちの高揚に、「ああ、私はこんなにもお客様の前で演じられる日を切望していたのだな」と痛感しました。

私に素敵な機会をくださったステキ美女・日野あかりちゃんとの出逢いは、昨年春、モノローグ演劇祭予選の待機室にて。ヘンテコリンな赤ずきんの衣装にド派手メイクでの初対面でした。きっと「この人、おバカなモノローグをやるに違いない。つまりおバカに違いない。」と思われたことでしょう。
秋には、Antikame?『微かなひかりに満ちている』で初共演。物語の中で一切絡みが無かったため、「居酒屋で美味しいメニューを見極め、注文してくれるデキ女」という印象が強いです。
『家で出来る演劇』には、4月に数回だけ参加させていただいたきりで、あかりちゃんと読みたい作品もあったんですが、実現しないまま日々が過ぎていましたのに、愛想を尽かさず温かくお声かけいただけまして、感謝感激雨嵐でございます。

そんなこんなで、今回挑戦させていただく作品は『モノロオグ』。女性の一人芝居です。
岸田國士戯曲初挑戦が、まさか一人芝居になろうとは…!
昨年秋に野田秀樹さんの『売り言葉』という作品で一人芝居の経験はありますが、まったく違う毛色の作品なので、昨年の経験を活かしながらも、新たな境地を目指して開拓していこうと思います。
なんせ昨年の『売り言葉』のときには、所属劇団アマヤドリの主宰・演出家の広田淳一さんに、もうそれはそれは甘えっぱなしで、自分の未熟さを思い知りました。
なので、今回は俳優のチカラだけでどこまで出来るのか。本当に挑戦です。見届けていただけると嬉しいです。

過去と決別して新たな一歩を踏み出そうと、不器用に七転八倒する必死な彼女の姿を通して、先の見えない不安定な情勢の中でも前を向いて進んでいくパワーを、お客様に与えられるように。
心を込めて、演じたいと思います。
8月、健康古民家かのうにて。お待ちしております!

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大塚さんとは、書いてくださった通り、去年のモノローグ演劇祭の予選会場で順番が前後だった際に初めてお会いしました。大変ご活躍なので元々お名前も知っていましたし、Antikame?で共演することも決まっていたので、ドキドキしながら楽屋に入りましたが、とても明るくてキュートな(おバカとは微塵も思っていませんよ!念のため!)方で嬉しくなったのを覚えています。

その後も共演した現場やオンラインでの活躍を拝見するにつけ、ものすごく演劇にかけるエネルギーが大きい、演劇モンスターのような方だなと思い、とても尊敬しています!
今回出演の「モノロオグ 」は、女性の一人芝居・正味30分です。その時間・空間を支配するのはとても大変なことですが、一度拝見した創作途中の段階でも引き込まれる瞬間がたくさんあり、大塚さんの「可愛らしくも大人の女性」である一面が見られるのでは、と思っています。

ぜひ古民家にて、目撃してください!



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