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【ぶれる境界】四方山話そのに(佛淵和哉の視点から)

こんにちは。
#家で出来る演劇 ディレクターの日野あかりです。
今回は一緒に企画・出演を担う佛淵くんから熱い文章が届きました!
早速どうぞ。

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こんにちは。
企画・出演をします佛淵和哉です。
#家で出来る演劇 には第一回目から参加させて頂いております。
今回はこの企画公演についてと、参加して頂く方の紹介を交えた文章を書かせて頂きます。

◎今回の企画公演について

今まで俳優として沢山の劇団やプロデュース公演に出演させて頂いたのですが、いつしか舞台を1から創ってみたいと思い始め、去年1月に初めて自主企画公演を上演し〈企画〉〈演出〉〈音響〉〈照明〉を務めました。
その時は俳優としてではなく裏方に専念して挑み、今まで感じた事の無い楽しさと悩ましさを体験しました。同時に、仲間の心強さと有り難さも切に感じる事が出来た、自分にとってかけがえのない公演でした。それから改めて演劇を好きになり、この先の人生演劇に対してより真摯に向き合おうと決めました。
その経験を活かして毎年一本は企画公演を立ち上げようと思っていたのですが、今年に入りコロナウィルスの蔓延が更に拡大し、各団体が続々と公演中止を発表していく中、自分で公演を打つのは難しいと判断しました。そう判断したのにも関わらず、僕の頭の中には脚本を誰に頼もうとか、演出を誰に頼んだら面白いかとか、勝手に企画会議が始まってしまい、一日中その事ばっかり考えて過ごしているとどうしても動きたい衝動にかられ、気がつくとLINEを開き、日野さんに一緒にお芝居を創りませんか?と御連絡させて頂きました。4月1日の事でした。
日野さんはコロナ禍に自分の団体を持ち始め、実際に上演まで行ったバイタリティ溢れる女優さんです。そしてちゃんとしている。ちゃんとしているというのは、上手く言えないので説明しません。小劇場界って僕を含めちゃんとしていない人が多い気がします。その中でハッキリとした信念を持ち、創作することに意欲的な、ちゃんとしている人はとても信頼感があります。僕1人で出来ない事も日野さんとなら出来る気がするのです。去年、巣鴨の古民家で上演した『#家で出来る演劇と岸田國士』に出演し、それを感じました。なので演劇をやるのにも困難なこの状況で、共に企画から創って頂ける相棒を日野さんにお願い致しました。

◎脚本について

最初に日野さんと打ち合わせをした際にまず脚本を誰にお願いするかという話し合いから始まりました。そこで僕は真っ先に善雄善雄(よしおぜんゆう)さんの名前をお出ししました。
善雄さんは3年前に、NICE STALKERという劇団の舞台『ロリコンのすべて』で俳優として共演し、そこから公私共にとてもお世話になっている先輩です。善雄さんは現在劇団ゴジゲンに俳優として所属しながら、過去にザ・プレイボーイズという劇団を主宰していた脚本家・演出家でもあります。(復活公演もしたので、現在もプレイボーイズはあるのかな?)
独特なユーモアを交えたスタイルで芝居をする善雄さんはプレイヤーとしても大好きで、一度舞台上に登場したら目が離せない面白さがあります。人としての可愛らしさが芝居にも見え隠れしていて、そういう人間的魅力というのは意識して出来る訳では無いので、羨ましさと憧れを抱いています。
そんな善雄さんがWEBで連載しているコラム『卒業をさせておくれよ』が僕はとても好きで、善雄さんの辛い経験を書いているはずなのに何故かクスッと笑ってしまうその文章は、まさに善雄さんの魅力が詰め込まれていて、つい夢中になって読んでしまいます。その善雄さんが書く脚本を僕はやりたい。ユーモアと可愛らしさと毒のある善雄さんの魅力が詰まった本を是非やりたいと心から思い、善雄さんにお願いさせて頂きました。

◎演出について

次に演出家を決める事になったのですが、これはもう僕の拘りがありまして、普段脚本・演出を1人でこなしている方ではなく、主に演出家として活動している方にお願いしたいと提案しました。そこで僕の今まで関わってきた劇団の中で、作家と演出家がそれぞれ在籍して活動している劇団フロアトポロジーの演出家、小崎愛美理(こさきえみり)さんが浮かび上がりました。
僕も何度かフロアトポロジーに出演させて頂いたことがあり、作家が書き上げた物語に自分の独創性と感性をおり混ぜ新たな物語として立ち上げる小崎さんの手腕にいつも驚かされていました。俳優の優れた能力を活かすのではなく、その俳優に今まで無かった能力を見つけ、作品のアクセントにする小崎さん独自の調理法で、見た目からは全く想像出来ない味が五感に広がる逸品に仕上がるんです。小崎さんを見て、演出家って面白い仕事だなと思いました。
今回は劇場や普段演劇が行われているギャラリーとは違う、BUoYカフェからつながったギャラリーという特殊な空間を使います。ほぼその場所で演劇が上演されたことは無いとのことで、どう使えるかは未知数です。条件的にも非常に難しいと思います。
ですがここでやるからこそ、小崎さんをお招きしたかった。歪な空間すらも舞台の演出にしてしまえる小崎さんの演劇術をここで堪能したかったんです。役者であり、ファンでもあります。


最後に、観に来てくれる皆様へ。
不安な思いを抱えている皆様へ。
この文章を読んでくれた皆様へ。

ありきたりな言葉かも知れませんが、
無理はしちゃダメです。
劇を観ている時だけ、日常を忘れて楽しんで頂けたら幸いです。


佛淵和哉

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公演詳細はこちら。ご予約好評受付中です。

心身共に健康に、作品を通してお会いできることを楽しみにしています。

日野あかり

20210712家で出来る演劇宣伝11


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