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第14回 「楽しむことの大切さ」

今回は「燃え尽き症候群」についてお話ししたいと思います。
言葉は聞いたことはあると思いますが、実際どういうものか・どう接したらいいのか・どんな言葉をかけたらいいのかなど、自分の経験を踏まえてお話しします。

●きっかけ

多く見られるケースは、部活の「引退」です。
打ち込んできたものが突如なくなり、目標・夢などもなくなってしまい無力感になってしまう。
また、自分の結果に満足できないことによる後悔でも陥ることがあります。
幼少より同じ競技をやり続けたことによる燃え尽きも見られます。

●挫折

努力をしても自分の目標や夢が叶わない自分の理想に近づけないなどによる燃え尽き。

●人間関係

監督・コーチなどの指導者からのプレッシャーパワハラ、チームメイトとの信頼関係の崩れ、精神的な要因での燃え尽き。

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■燃え尽き症候群の特徴

■集中力・意欲の低下

最初に感じる不調の多くは「集中力低下」です。
「なぜ集中できないのか」
「なぜ意欲的になれないのか」
「いつになればポジティブになるのか」

など、選手自身も先の見えない不安で、さらに不安定になってしまいます。

■イライラや落ち込み

やり場のない「不安」「恐怖」から周りの人にイライラした態度をとったり
急に落ち込んだりと情緒不安定になってしまいます。

■部活や学校を休みがちに

人には危険察知能力というものがあります。
無意識にうちに、ストレスを避けるため人との関わりを避けるようになります。
また、チームへの罪悪感や居心地の悪さから学校や部活を休み、選手や指導者と距離をおくようになります。

⬛️なりやすい選手の特徴

物事を完璧したい選手
責任感が強すぎる選手
勝ち負けに対する拘りが強い選手

は燃え尽き症候群になりやすいと考えられています。

物事を完璧したい選手は、物事が順調に進んでいる時には「高い成果」をあげることができますが、小さな失敗や挫折をきっかけに一気に気力を失ってしまうことがあります。

そして「何でも完璧にしたい選手」や「責任感が強すぎる選手」に共通しているのが、自分に厳しすぎるということ

「目標がきちんと実行できたか」「ルールがきちんと守れているか」
などと気を張りすぎれば本来の楽しさを忘れてしまいます。

人生においてもスポーツにおいても失敗挫折はつきものです。思うようにいかないのがスポーツだしだからこそみんな努力するのです。

子供達がスポーツをしていく中で、自分自身の失敗を許してあげる事、自分の努力や成果をしっかりと認めてあげる事は、心のバランスをとるためにとても大切なことなのです。

◼️親・指導者ができること

・心身のケア
・バランスのとれた食事
・ストレスのない環境作り

・オーバートレーニングになってないか
・プレッシャーをかけすぎてないか

■快復法

・休む
・睡眠をとる
・お風呂に浸かる

単純なことですが、トレーニング等で心身ともに追い込まれていると単純なことがおろそかになりがちになります。
こういうときこそ、ご自宅でゆっくり安心できる環境作りこそが一番の快復法と言ってもいいかもしれません。
無理させず「休ませる勇気」を持ってください。

スポーツを続けることは仕事にも良い影響をもたらすというデータもあります。
成人男性600名程度を対象に調査した結果、年収が上がるほど学生時代に運動部に所属していた割合が高いというものです。特に年収700万円以上になると、実に5割以上の人たちが学生時代に運動部に所属していたという報告もあります。スーパーアスリートになれなかったとしても、長くそして楽しくスポーツを続けられる環境を作ってあげることは、子供たちの将来にとって決して無駄なことではないと考えます。

enjoy sport

次回は、「運動神経」についてお話ししたいと思います。

広崎 哲也/Tetsuya Hirosaki
鍼師・灸師・あんま・マッサージ・指圧師

明治大学柔道部トレーナー(2002)
NTT -G Fukuokaラグビー部トレーナー(2003〜2013)
日野RedDolphinsラグビー部トレーナー(2014〜2016)
SuperFormula トレーナー(2013〜)
ボディケアマネジメント講師

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