『ずいぶん溢れやすい水』
大学卒業に際して、卒業制作を作りました。ボクのいる文芸・思想専修というところではそれは義務ではなく、ただ多くの単位をもらえる任意の授業というシステムでしたが、別に単位が足りないとかそういう理由ではなく、「そのために入学したのだから」という心持ちによって行ったことです。
詩集を編む、という行為ははじめてのことでした。制作物に加え、補助論文が課されることもあり、結果としては満足のいく品質だったかと言われれば微妙なのですが、自分の作品を三十編近く集めて、百頁に迫る本にしたときには、なかなかに自らの努力を褒めたくなったものです。まあ、編んだ先に得られたものは、自分の手癖に対するネガティブな所感・気づきだったのだけれど。邁進せねば。
そんな感じで作ったものが溜まっているので、時々流そうかな、と思います。まず最初に流すのは、短歌の連作。ボクは基本俳句か自由詩ばかりをつくっていて、短歌の形にするのは久々だったのだけれど、久々に組み上げた割には、なかなか良い手触りのものが得られました。違う物語だけれど、隣接するものとして、『俳句四季2023年4月号』に寄稿した作品と読み合ってみたら、心地よく噎せる感覚があったりしたので、興味があれば、是非。
ずいぶん溢れやすい水
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